【アイラ】
「御方様?」
「殿下?」
「……ん? 何だ、レビィアとマヤ……。何かしら俺に用事か……?」
船上で寛ぐ陛下へと御二人が声をかけてきた。
だから陛下は何か自分に用事があるのかと尋ねた。
「えっ!」
「いや、あの……」
だけど御二人は陛下に尋ねられても困惑をするだけなのだ。
「お、おい、どうした二人共……? 俺に言いたい事、尋ねたい事があるのならばはっきりと告げろ……」
やはり陛下はわらわを含め、他の妃達とはまだ新婚のホヤホヤのお熱い時……。よい時なので、自分の妃のことが気になるのか? 御自身の顔色を変えながら再度尋ねた。
「……じゃ、お尋ねしますね、陛下?」
わらわが入学し、学んでいた国立魔法学園の先輩でもあり、生徒会長を赴任されていたマヤさまが御二人を代表して陛下にお尋ねしたいことがあると。
それも真っ赤な顔と言うか? 少しばかり怒っているのかな? 彼女の声音は少しばかり荒々しい気がするな? とわらわが思えば。