でも海賊上がりの、ならず者だったこの男を飼いならす事が出来るのは、この国の女王陛下……。私達一族の長のみだから。父は学園長の諫めを聞き憤怒……。彼は真っ赤な顔で怒りをあらわにしながら振り返ると──学園長をジロリと睨み。
「学園長、これは儂とマヤとの親子の問題であり、一族の大事でもある。それを他人のお主が口を挟まないで欲しい」
父は威圧の籠った重たい口調で学園長へと告げると。
「そもそも未成年者の娘に対して学園の方は監視不届きではないのか? 特に我が娘は普通の娘や貴族の娘ではない! この国の王族の血を引く娘だ。だからこの国の為にいつ他国へと嫁ぐ事になるか解らないような身の上の者をちゃんと監視もせずに放置して異性に傷物にされ。両親が胸を張って嫁にだせないような娘にしおって……」
父は自身の口や物言い……。身体迄震わせつつ憤怒しながら学園長へと私の件で不満を漏らした。
でも昨晩のあの人の怒りはこれぐらいで収まる訳ではなく。
「学園長! 今直ぐ儂の娘の担任をこの場に連れて来い! それとマヤ! お前もだ! お前を傷物にした奴は誰だ! 今直ぐに言え! 学園長へと告げろ!」
私と学園長に、自分が直に手を加え、裁きをおこなうから今直ぐに担任の先生とジョセフを呼ぶようにと荒々しく難題を告げてくる。
だから「お父様お待ちください!」と。
「閣下、何卒穏便に、穏便にお願いします」と私と学園長はあの人の足元で平伏しながら何度も嘆願をしたのだった。
◇◇◇