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第50話 女王陛下からの招待状(29)

 私は父が……。海賊の長が怖くて仕方がないけれど。私とジョセフとの仲を認めて欲しいと嘆願をした。


 ドン!


 でも父の逆鱗に触れている私は直ぐに、海賊の長に腹部を狙うように蹴られた。


「うぐっ」


 だから私の口から痛みを堪える声が漏れるけれど。そんな事であの人が、自分の意にそぐわない行為をした私の事を許してくれる訳はないから。昨晩の私はこの後も何度も父に蹴られ続けられるのだろうな、と覚悟を決め奥歯を噛み締めるけれど。


 グゥ!


「いっ、痛い……。お父様、申し訳御座いません…」


 でも鬼のような父が私の事一度蹴るだけで、荒々しい行為を辞めてくれた……。


 そう結婚……。他国の王子の妃として私を嫁に出す訳ですから、気の荒い父もこれ以上身体に傷を入れるのは不味いと思ったのではないですか? だから私は父に身体中を何度も蹴られる事はこれ以上は無きに終わる。


 しかし私の口から痛みを訴え掛ける声が漏れると言う事は、父から何かしら酷い仕打ちを受けたと言う事になる。


 そう私は、父に似た漆黒の長い髪をあの人に鷲掴みをされ、俯いていた顔と横たわる身体を強引に持ち上げられると。


「マヤ?」と重たい声音で声を掛けられた。


「はい?」と私が父へと言葉を返すと。


「その男とは別れろ! 分ったなぁ? それと今直ぐお前を屋敷へと連れて帰る」と父は言い始めるのだった。



 ◇◇◇





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