だから私がこの国立の魔法学園へと入学してからも数度しか訪れた事は無いのだ。
なのに? 私の父が……。
それも陽が暮れてから父が会いにきたものだから、我が家に余程の事が起きたのだろう? と、私は直ぐに推測して、自分の顔色を変え父へと尋ねたのだが。
「ああ、マヤ。お前は相変わらず察しが良い、賢い娘だな。私は本当に良い娘を持った。本当に幸せな父親だな……」
私の父は先程も説明をした通りに、海の男なので大変に気が荒く、貴族には似つかない人の筈なのに。娘の私が他人なのでは? と思うぐらい。円満の笑みを浮かべ切らさない穏やかな顔や口調で話し掛けてくるから。
私は、本当に父はどうしたのだろうか? と困惑していると。
「……マヤ、優秀な君が卒業式を終える前に、自主退学をしないといけないのは、私も少し残念だが。君の将来の事を考えると、今回の女王陛下からのお話は大変に良い話しだから、私も致し方が無い事だと諦めるよ。マヤ……。そして君の新たな人生と門手に対して本当におめでとう。私も君が彼の妃に選ばれた事を誇りに思うよ。マヤ本当に良かったな! そして幸せになるのだぞ、マヤ……」
父は私に女王陛下から婚姻の話がきたと嬉しそうに説明をしてくれたのだ。