「ジョセフ、お願い。私にこれ以上近づいてこないで。私の御父様の部下達が監視をしているの……。私の彼氏……。傷物にした者は誰かを探るようにと……。もしも貴方だと私の御父様が気がつけば。貴方だけでなく一族諸共抹消すると昨晩私、お父様に脅されたの。だからジョセフお願い、私とは只の知人のフリをしてお願いだから。頼むから」
私はできるだけ監視役にばれないようにしつつ、小声で元彼氏だったジョセフへと騒がないで、普通に友人として振る舞い接してくれと嘆願をした。
もうそれこそ? 今にも泣きだしそうな声音で、下を向きつつお願いをした
だから元彼氏だったジョセフも私が言っている言葉は冗談ではなく、本当の事だと悟ってくれた。
「……ど、どう言う事なんだ、マヤ……と、言うか? 一体昨晩君は僕と別れた後に何が遭ったのだ?」
ジョセフは相変わらず困惑はしているようだけれど。荒々しい声音で私に問いかけてきて騒ぎ立てる行為は辞めてくれた。
「……あのね……」
私はとにかく、この場で泣き崩れる行為だけはしないように心掛けながら。私が昨晩寮を抜け出し、ジョセフと密会……。漆黒の闇の中、他人の目を盗み、甘い接吻と、お互いの愛を確かめ合うための交わりを終え、寮に戻り、部屋に返ると。学園長に呼ばれ、部屋を訪ねてから起きた出来事を私は元彼氏だったジョセフへと説明を始めるのだった
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