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第42話 女王陛下からの招待状(23)

【マヤ編】


「ジョセフ?」

「……ん? どうしたんだい、マヤ? 今日は元気がないようだけれど。ほら、こちらにおいで、僕がいつものようにハグをしてあげるから」


 彼が何時ものように、私が思い悩めば直ぐに顔に出るから優しい声を掛けてくれる。


 だけど今日の私は昨日までの自分とは違うので。


「えっ! いや、あの御免なさい。ジョセフ……。ハグの方はよろしいです」


 と自分の顔色を変え告げるものだから。


「えっ! 良いの、マヤ? 何時もは君の方からハグをしてくれと催促してくるのに、今日の君は変だな? もしかして体調不良? 熱でもあるのかな?」


 傍から見て顔色の方が余り良くない私の事を今日もジョセフは気を遣い心配をしてくれる。


 そして何時ものように私のおどこへと手を差し伸べて、優しく手を触れ、熱を測ろうと試みてくれる。


 パチン!


 しかしこの通りだ。私は自分のおでこへと優しく手を差し伸べ、熱を測り。私に熱があれば看病し、労わってくれようとしていたジョセフの手を人目を気にして、叩くように払いのける。


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