第41話 女王陛下からの招待状(22)
私がツンツンと胸を張っていると友人が首を傾げながら尋ねてきた。
「……ん? 何ですか?」
だから私も首を傾げる。
「そうなるとマヤさまは、彼氏らしき殿方と。あんなにも仲慎ましい様子だとお家的に不味いのではないでしょうか? 特にマヤさまは一人娘だと私は以前誰かから聞いた事があるような気がします?」
友人の一人が、私自身が危惧していたことを尋ねてきた。
「ですよね……」
私は友人へと言葉を返すと、仲慎ましくしている二人へと視線を変え──。マヤ先輩と彼氏さまが仲慎ましい様子を遠目で見詰めながら。彼女が結婚適齢期が終わりつつある年頃が近づいているにも関わらずまだ一族間で婚約の発表すらない。話題も上がらない。
そしてマヤ先輩が魔法学校へも通えて、彼氏さまとあんなに仲慎ましい様子でいられると言うことは?
彼女のお父さま……海賊の長、キャプテンドレイク提督も納得してくれていて、二人は学園を御卒業後にめでたく結ばれるのではないか? と思われる。
だって私がまだ婚約すらしないで呑気に、国立魔法学園へと通えるのは。お父さまが、我が家の利益になる者としか結婚をさせる気がない。
それと屋敷にいるよりは魔法学校へと通い、友人を作る方が良いだろうと言ったことや、私が魔法学校へと通っていれば魔力、知力が上がり、嫁ぎ先が喜ぶのと。女王陛下からの大変に利益になる婚姻話しがくる可能性があるからと言った思惑がある。
だから私の場合は、お父さまに思惑があるから婚姻を焦らずに魔法学校へと通わせてくれているだけだから。
私は、マヤ先輩は同じ一族でも鳥の籠状態だから。御両親がお話がわかる御方で自由にさせてもらえるから、マヤ先輩のことを少々羨ましいなと本心で思うのだった。
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