第39話 女王陛下からの招待状(20)
でもやはり、不満のある娘も出ますから。
「しかし、アイラ様~?」と声をかけてきたので。
私は天を仰ぎ、切なそうな顔をしながら。
「……私の結婚相手は、必ず自分の知らない、初めて顔を合わす殿方だと思うのですよ」と呟き。
私は天を見上げていた顔を降ろし、友人、知人を見渡し、微笑みながら。
「……私のお父さまがこれだ! と決めた殿方か、我が一族の長である女王陛下が、この者だと決めた貴族の殿方か、他国の貴族、王子……。もしかすると? 二回りも年齢が離れているような他国の王の妻になる可能性だってあると思いますから。私は自分が幼い頃から恋をしないようにと。恋に対して夢を見ないように心がけているのですよ」
私は友人、知人へと優しく、穏やかな口調で説明をした。
「ああ、なるほど……」
「確かに……」
「アイラ様の御家だと確かに恋愛は後々邪魔になりますね……」
私の説明を聞き、友人、知人はまたフムフムと納得してくれた。
だから私は「はい」と微笑みながら返事を返して。
「……私自身も絶対に叶わぬ夢で終わると思っていますから。余計な恋愛などしないで、せめて結婚後に旦那さまに大事にしてもらえるようにと生娘でいようと心掛けています。ふっ、ふふふ」
私は更にみなさんへと説明をしたのだった。