第37話 女王陛下からの招待状(18)
特に彼女……マヤさんなのですが? もしも私の思い違いでなければ。彼女のお父さまは女王陛下の信頼する臣下の将の一人で大変に厳格な御方だと私はお父さまやお兄さま達から聞いたことがありますから。
彼女も多分私と同じで、お屋敷で飼われる鳥籠のカナリヤと同じ立場……。
そう、自分の意志とは無関係な貴族や他国の貴族の許へと、一族のためにと嫁がされる小鳥のような立場の者だと思うのだった。
「アイラさま?」
「……ん? 何ですか?」
「アイラさまは異性との恋愛に興味はないのですか?」
私と同じ一族になる生徒会長さまのことを思案していると有人、知人の一人が男女の恋愛……。異性に関して興味はないのか? と尋ねてきました。
「えっ! 私ですか?」
「はい、そうですよ」
私は友人の問いかけが予想に反したものでしたから、動揺しながら言葉を返しました。
だって私は先ほど説明した通りに、安易に殿方を好きになっていけない身の上だから友人、知人が容姿の整った貴族の男性達を見ては。
「あの人素敵」
「あの人は凛々しい」
「あの人はとてもハンサムでカッコ好いですわ~」
「きゃきゃ」
「わいわい」と騒めいても、私は友人達の会話には加わらないように意図的にしています。