「はい、わかりました。婆や~。
だって我が一族に、何かしら不幸が遭った可能性がある。
だから
《ドン! ドン!》
と部屋の扉を叩き。
「お父さま~、部屋に入りますね~」と言葉を漏らしながら、部屋の扉を勢いよく開けた。
そして部屋の中へと入ると。
「お、お父さま! 我が家に何か一大事! 不幸でも遭ったのですか?」
「……ん? ああ、ララ……。女王陛下から君への結婚話だ」
お父さまは苦笑いをうかべながら
だから
「お父さま、
「う~ん、あのなぁ?」
お父さまは、今度は大変に困った顔……。今にも泣きだしそうな顔をしながら一人娘の
「ララ、君の結婚相手は、インドア帝国の王子だよ。困ったなぁ……」と気落ち、落胆しながら告げてきた。
でも
そうまさか己の身に、ファンタジーな物語のヒロインみたいな、異国へと嫁ぐような……。
それもインドア帝国と言えば、我がイングリッシュ王国からは船旅でしかいくことができない遠い地……。夢の大陸なのですから。
今にも泣き出しそうなお父さまには悪いのですが、
◇◇◇
(11)