第27話 女王陛下からの招待状(8)
だから女の身である私は遅かれ早かれ、我が家へと他家からのお見合いの話しがきて、何処かの貴族の男性の妻となり。この知識を世に披露することもなく子を産み。私は老いていき、神に召される人生で終焉を迎えると分かっているのですが。
私は自分の脳内で戦を妄想してシミュレーションしながら独り言をブツブツと呟くのが大好きですから。今日も自分が読む本を選びにきた。
「さてさて、どれにするかな?」
だから私は今日も退屈をしないために、自分の顎へと指を当てつつ本棚を上から下──下から上へと凝視しつつ選ぶのだ。
「う~ん、う~ん」と唸り声まで漏らしながね。
「お嬢様? お嬢様? お嬢様~? どちらにいらっしゃいますか~?」
私が本を吟味していると。メイドの婆やが私を呼ぶ声がした。
だから私は、自身の口を大きく開け──!
「婆や~。私ならば、お父さまの書籍にいますが~。どうか、したのですか~?」と尋ねた。
「お嬢様~! 旦那様が火急の用があるからリビングへと直ぐにくるようにとお呼びですよ~」
婆やも私に負けず劣らず大きな声を出して、お父さまが呼んでいると教えてくれた。