第26話 女王陛下からの招待状(7)
【ララ編】
「よし! 今日はどんな本を読み学ぼうかしら?」
私はお父さまの書斎を眺めつつ独り言を漏らした。
でもお父さまの書斎を眺めたところで高価な本が毎日のように追加される訳ではない。
だから本を読むのが大好きな私は、自分の目の前にある本棚に置かれた本を今までに何度も読み返しているのだ。
もう、それこそ? 私自身が本の内容を完全に覚えているぐらい頭に詰め込まれているから。私は本を読まずに朗読することも可能なのだが。
私は文字を見詰め、読むことが好きだから、今日も飽きずにお父さまの書斎部屋の本棚立ちを見上げるように見詰めている。
そんな本の虫である私が大好きな本は、特に世界の歴史……。私は自分の暮らすこの島国……。イングリッシュ王国に近い、西の諸国の歴史書だけではなく、中央大陸や東方にかけての国々の歴史書やファンタジー物語に興味があり、大好きなのでございますが。
私が一番の推しはと申しますと? 東方の国の軍略家達……。東方の国々では軍師と呼ばれらしい人々……。
そう太古の英雄達が残した書物を読み、覚え、自分なりに色々と解釈するのが私は女の身であろうとも大好きで。
でも私のような女性の立場の者がいくら古今東西の分厚い軍略本の内容を全部暗記していると言っても、男性ではない自分には軍の仕官学校へと入校などできない。