【シルフィーヌ編】
「シルフィーヌ、今日の練習はここまでにしよう……。お疲れ様……」
「ありがとうございます。神父さま……」
今日も私の魔法の練習、鍛錬も終了した。
だから私は自分の魔法の師である神父さまへと頭を下げつつお礼を告げた。
「いいや、いいや。こちらこそありがとう、シルフィーヌ……。こんな遠くの寺院迄通ってくれて、私達の方がありがたいよ……。君がこんな田舎の寺院へと尋ねてくれるから。君のお爺様である、グラニュー伯爵から沢山の援助をしていただけるのだから。私達、寺院の者達の方が余程助かっています」
私がお礼を告げ、頭を上げるとまた今日も神父さまは師であるにも関わらず。私が領内の端にある、この静かな田舎町に建つ小さくて古い寺院へと足を運んでくれるから、神父さま達が祖父から恩赦を受けることが可能になっているからと。私のような若輩者へと頭を下げてくれるのだが。
私は幼い頃からこの寺院と神父さまから魔術の勉強と訓練をおこなっている。