でッ、俺自身がほんの一瞬だが思案をすると。
「女王陛下、自分には女性との縁がないから婚姻の方が未だなだけですよ。それがどうかしましたか?」
俺は伯母上様へと当たり障りのない言葉を直ぐに返す。
「ふふ、嘘おっしゃい、ルドア~。朕も色々と貴方の事は聞いてはいますよ」
でも俺が伯母上様に言葉を返しても、どうやら誰かさん達から色々な話は聞いているようなので。俺の嘘偽りは直ぐに伯母上様に見破られてしまっているようだから。
「えっ! あっ、ははは」と笑い誤魔化せば。
「貴方の父上であるガンダーラ三世から。貴方の国でのプレイボーイ振りは聞いていますよ」
伯母上様も俺同様に苦笑いを浮かべながら告げてきた。
しかし伯母上様の俺への問い掛けの方は未だ終焉を迎える事も無く。
「……ルドア、貴方は、インドア帝国内の貴族の娘や町娘と逢引きばかりを繰り返す割には、何時まで経っても妃を決めてくれぬから困るのだと言っていましたよ。だから朕の口から貴方の事を少し叱って欲しいと御父上やグラニュー卿から頼まれたのですよ」