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突然に開けた運。 ~その4~ 呪詛を退ける手段。~1~(2025-4-04)

 その後は、仕事で出張があると、赤坂まで遠回りをして参拝をしたり、弟と一緒に出張に行った時に、豊川稲荷東京別院まで寄って参拝したりと、小まめな参拝を繰り返しました。


 そして、例の呪詛に関しての原因と調査も並行して行っていきます。


 少しだけ霊感のある私や弟が、直接的に見た話をすり合わせると、この不運の連続に陥れた呪詛の正体が、少しずつ分かってきました。


 最初に1つの線が浮かび上がりまして…。


 うちの亡くなった父は10人も兄弟がいるので、もの凄く親類が多いのですが、早い話、サマーウォーズのように色々な職業の人がいて、多種多様な親類がいます。


 その中には、道を外れてヤクザやチンピラに落ちた者もいるのですが、その従兄は、数年前に車の運転中に心臓発作で亡くなっていて、どう考えても良い死に方ではありません。


 従兄は、とてもアコギなことを繰り返したので、誰かに恨まれて、そういう人が一族の滅亡を願うような呪詛を誰かに頼んで仕掛けた場合、血縁関係のある私たちにも、とばっちりが来ている可能性があります。


 もう1つの線のヒントは弟がくれました。


 私が学生時代に寮にいて家に不在だった時に、両親と弟だけで、神社の神主をやっている親類の家に行った時のことを、突然に弟が思い出しました。


 どうやら、その時に祖父母の話題なったらしく、祖父母が若い頃に親類の筋なのか、知り合いの筋なのかは不明ですが、恨まれて自殺者がいたとのこと。


 どちらの線も考えられますが、私や弟が見た女の霊体を見る限りでは、顔を長い髪で隠していることから、怨霊や幽霊的な雰囲気が強そうだし、どうやら祖父母を恨んでいる輩の怨念が、順番でウチに回ってきたほうが濃厚です。


 そして、私たちは、その手の話に理解のある親類に、これを話すことを思い留まりました。


 正月早々に亡くなった従兄や、亡くなった父と不仲だった叔父が不慮の事故で亡くなっていることが妙に引っかかり、これを誰かに話せば、話した親類に標的を変える危険性が出てきます。


 そして、うちの母も病気で倒れて、私も手術をやった上に、本家の伯母まで倒れて動けないとなると、ここで親類に話して被害者を増やすことなく、吒枳尼真天様のお力を借りながら、呪詛と怨霊の双方を、誰にも頼まずに、私たち家族の努力で、徐々に削ぐ結論に至りました。


 …いやね…。


 呪詛をやってきた正体が、ヤクザの従兄の要因だとしても、祖父母への恨みの要因であっても、同じ事が言えますが、何ら罪も無い親類や子孫に、とばっちりがくるのは、本当に理不尽ですから。


 これについて、何も関与が無い親類や血縁関係のある人間に関して、突如として、先祖代々が由縁の怨霊などが障るのは良くあるパターンであるらしく、私が若い頃に神主や占い師の親類から聞かされた事もあったのですが…。


 その手の親類たちは『祓う・成仏する』というより、『避ける』スタンスがメインであるために、一族に、大きな課題を残したような感じです。


 生きている私たちが言えているのは『呪詛を解いて、成仏した上で、あの世へお帰り下さい』この一点張りを保つことが、コイツらに立ち向かう際の基本姿勢であります。


 そこに安易に慈悲を与えてはならず、この手の強敵に関しては、自分だけの力で払う事も無理なので、必ず強い神仏のお力を借りながら、成仏させるしかありません。


 呪詛に関しては、私が2度目に出くわしたときに、対処方法は編み出していて、吒枳尼真天様に祈れば、呪詛は無駄に終わるでしょう。


 霊能力が最弱な私などは、直接的に成仏させる力もないので、こうやって、こまめに参拝をしながら相手の力を削いで、最後には、あの世に無理矢理にでも行かせるしかないのです。


 この案件は、親族だけで片付けた方が良いのが本来の筋であって、訳の分からぬ輩にお願いしても、金ばかりを取られて、ロクな事にならない予感もありました。


 それよりも、私たちの家計は会社を含めて、火の車ですから、お金がありません。


 ◇


 そんな会話を弟や妻と、時々しつつ、私たちの答えが出ずに、悶々としていた時の事です…。


 ある日の夜、私が、夜中の3時頃に目が覚めると、こんどは壁一面に、A3サイズ程度のスクリーン状のモノが幾つも浮かび上がり、そこに、墨字で草書にて書かれている呪詛が私を取り囲んでいます。


 それを見た私の反応としては『怯える』よりも、『呆れた』ほうが強く、尿意もあったことから、私はベッドから降りて、トイレに向かって立ち上がりました。


 もう、ここまでくると、某TRPGに例えるならSAN値が減ることなんて事はありません。


 私がパニックを起こさずに平気になったのは、耐性が強いのか、色々とありすぎて、精神が鍛えられている証拠なのか…。


 ふと、呪詛を見ると、墨字の草書がスクロールして流れているのが見えますが、その先頭に太い梵字がドンと置かれているのが見えて、吒枳尼真天様によって、呪詛が無効にされているのが、直感的に分かります。


『こりゃぁ、私たちに呪詛が効かないと睨んで、女がヤケになっているのか…。』


 吒枳尼真天様のお力に感謝をしつつ、私は、根本的な原因を取り除く手段を、早急に考える必要性を感じていたのです。


 さて、そんな壁一面に取り囲まれた呪詛を見た後のことですが…。


 数日後の夜に、夢でも死んだ父や従兄から心配をされる夢を私は見ます。


 家族で、どこか旅館かホテルに泊まった夢を見たのですが、そこの建物から雨漏りがあって、私は5歳の娘を連れて、雨漏りがない場所に連れて行って、なんとか娘を雨から守ろうとして過ごします。


 雨が止んだ後に、部屋に戻ると、ベッドにゴミや呪符のようなものが落ちていて、私がそれを拾って片付けているのです。


 それから家に戻ると、亡くなった父や、入院中の母がいて、亡くなった父に、とても心配をされました。


 そうしたら、亡くなった従兄からも電話があって、とても心配されましたが、私は冗談を少し交えながら、会社が潰れそうで畳みたいぐらいだと、愚痴を吐いている自分がいたり…。


 そんな夢を見た数日後に、今度は亡くなった母方の祖父母がでてきました。


 私に会うと『私たちは用事があるから、すぐに帰らなければいけないが、お前たちをできる限り見守る』というのです。


 もう、こうなると、両方のご先祖から、私たち家族の行く末を本当に心配してくれているのが分かりました。


『今が人生のどん底なんだろうね…』


そんな亡くなった人達から見守られている事に、私は感謝の念を抱かずにはいられませんでした。

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