…ついに、私たちを襲ったスピリチュアル的な不運の正体が、徐々に明らかになるのです…。
私が明け方に目を覚ますと、寝室のクローゼットのほうに、髪の長い女が立っています。
しかも、半透明な姿で、私に顔を見せずに、うつむき加減で立っていました。
『…やばい、これは…。』
亡霊なら不動明王のほうが効くと思って、成田山の不動明王の真言を唱えますが、全く効きません。
たぶん、コレは私の修行が全く足りないので、この手の力が弱すぎるから、私と縁が薄い神仏で、目前の霊を祓おうなんて無理なのです。
私たちに呪詛をかけているのは、そこに浮かび上がっている女でしょうが、私の力が弱すぎるために、その女が生きているのか、死んでいるのか、ハッキリと分かりません。
そのうちに、壁に例の呪詛がA3サイズ程度で2つほど浮かび上がりましたが、2つあっても以前よりも効力が弱い気がしました。
なぜなら、前までは、天井一面に大きなスクリーンのごとく、文字が流れていきましたが、これは比較的に小型ディスプレイの2画面みたいな感覚で、文字がチョコチョコとスクロールして流れる程度です。
『ウチが対策を練ったことで、私を潰そうとして、全力で挑んできたか…』
今度は縁の強い吒枳尼真天様にお願いをして、心の中でご真言を唱えます。
その効果は、てきめんでした。
呪詛の文字が流れるスピードが極端に遅くなって、文字と文字の間が極端に開いたから、吒枳尼真天様が呪詛を防いでくれたのでしょう。
そのうちに、髪の長い霊は、スッといなくなりました。
私は昨晩のことを妻に話すと、顔を青くしています。
会社に出てきた弟にも、呪詛のことを話すと、弟はモロの経験者ですから『すぐに豊川稲荷へ』という展開に当然の如くなりました。
それはそうです。
普通の人間が、そんな禍々しいものを見れば、心中、穏やかでありません。
しかも、私が見たのは、これで…、2度目ですからね。
仕事に関しては、従業員や外向きには、妻と一緒に緊急の出張があって不在という事にして、5歳の娘を幼稚園に送ったあとに、豊川稲荷東京別院に駆け込むように参拝をしたのです。
その際に私は覚悟を決めたことが1つありました。
『叶稲荷尊天様に、この呪詛と家や会社で起こっている禍事を断ち切ることを願掛けする』
豊川稲荷東京別院の叶稲荷尊天は、縁を切るだけではなく、本来は禍事や災難を消除する御利益もあり、強力なご眷属が、その厄災や禍事から守る為に、守護をすることも主な役割になっている筈です。
ただ、人間の欲というのは深いもので、どうしても、とても嫌な人は目の前から消えて欲しいと願うのは、やっぱり人間のサガですからね。
多くの人は、人との縁を切るようなお願いが、大半を占めると思われます。
◇
私と妻が豊川稲荷東京別院に着くと、何時もの通り、本殿と奥院にお供え物をして参拝をして、特に奥院では、呪詛や禍事の実情をつぶさに話して、それを、いち早く断ち切って、良い運が入ってくるようにと必死に祈ります。
それが終わると、今度は妻とは別行動をとりました。
私が叶稲荷尊天様にお参りをした後に、私と妻との関係に、何かあっては困るので、私が1人だけで、叶稲荷尊天様に行って、呪詛を解いたり、今の厄災や禍事を断ち切る願いをする事にしたのです。
…しかし…。
それを祈るときに、私は時の運を失っていました。
叶稲荷尊天様に祈ろうとした時に、隣に、不真面目な参拝客がいて、何やら、ふざけ半分で叶稲荷尊天のお社を見ながら話している家族がいます。
どう見ても、ガラが悪そうな家族です。
必死に願おうとしてる私の隣で「なんまんだ、なんまんだ」なんて、言い始めた途端、私のお参りは集中を削がれて、何処かにスッ飛んでしまっています。
こんなに、お強い仏様を目の前にして、ガラの悪い家族がやっている参拝方法は、とても罰当たりな行為です。
多くの人は豊川稲荷を神社と勘違いして、柏手をしてしまう人も散見しますが、その程度なら、ご眷属や吒枳尼真天様も、笑ってお許しになると思いますが、これは、とても不真面目かと。
『これは、一時回避が必要だ…。』
たぶん、呪いの力が、私の参拝を邪魔させていたのだろうと思います。
私はお願いを切り上げて、思考を巡らせました。
『叶稲荷尊天の絵馬を買って、そこに具体的な願いを書いて、もう一度、お参りをしよう。』
私が参拝を終えたと思って、社務所で待っていた妻にその事を話すと、とても顔が曇っています。
そして、私は、そんな心配そうな妻の顔を横目で見ながら、躊躇うことなく、社務所で叶稲荷尊天の絵馬と身代わり地蔵を買いました。
私が、身代わり地蔵を買った意味は『私や家族の悪い運を引き受けて下さい』という、切なる願いからです。
先ずは、叶稲荷尊天の絵馬に家族や会社での禍事や、厄災を断ち切って欲しいこと、呪詛を断ち切ってほしいこと、そして、今後は、家族や会社が良くなるように…、と、書きました。
そこで、再び、私が1人で叶稲荷尊天に行って、願掛けをした絵馬を置いて、再び参拝しようとすると、人払いが起きたかの如く、誰もいません。
改めて、叶稲荷尊天様の目の前で詳しいことを話して、呪詛や厄災を断ち切って、家族や会社に関して、今後の運が良くなることを深く願います。
-その参拝を終えた後でした。-
叶稲荷尊天と弁財天の中間地点で、奥院の白いお社が見えて、そこから金色の光が差したと思ったら、フッと私のそばを横切りました。
『これは、吒枳尼真天様が、私のことを見ていたに違いない…。』
叶稲荷尊天に、こういう願いをする人は、今の世の中では、少ないかも知れませんから、私の願掛けが、仏様にとって非常に目立ったのかも知れません。
5歳の娘のお迎えをする時間があることから、ここで参拝は時間切れとなったのですが、少しだけ悔いが残ります。
私たちは、豊川稲荷のお力が、絶大であることを私たちは思い知るのです…。
◇
*この案件の一応の結末まで、数話程度、残っていますが、想定される質問に対して、自発的に答えていこうと思います。
Q1.吒枳尼真天様ではなく、神様のほうがお力があるのでは?
A1.私の力が弱すぎるために、単純に神道系とご縁があるような力がありません。
そして、これに関しては、やっぱり仏縁なので、縁を大切にしたかっただけです。
後日になって、この事件の一応の結末として、かなり強い仏縁があったことが分かりました。
もしも、今回の事案で、これを成仏できる、若しくは祓うのに自信があるかたが、いらっしゃいましたら、ご連絡をください。
しかし、申し訳ないけど、最後のQ&Aにも書きましたが、本当に家計が苦しくて、お金が底を尽きています。
Q2.こういう場合は呪い返しが効果的では?
A2.呪詛をかけてきた相手が人間ではなく、怨霊だった場合は、そのまま、それが相手の栄養源になる可能性があります。
相手は生きていない気もしたので、その状態での呪詛返しは、やり方によっては危険過ぎます。
仮に呪詛を返して追い払ったとしても、私の家族以外の親類に標的が移るだけですから、これは問題の先延ばしにしか過ぎません。
恨みを恨みで返せば、禍根がうまれます。
大きくなった禍根が、新たな恨みを生み出します。
それは仏の道に反するので、私は仕返しをせずに、そのまま、これを受け止めて、消し去ることを決意しました。
そのほうが、私の子供や、その後の子孫や親類の為でもあると思ったのです。
Q3.よんたださんが、あっち方面だと分かって怖いです。
A3.この事件が終わったら普通の人間に戻るので、今は緊急事態として勘弁して下さい。
こんなのを見てしまった以上、運も下がりまくって悪い事だらけなので、対処しないことには、変なヤツに呪われて、今以上に、とても運が悪くなるばかりです。
普段は、全くこういうものを意識して見てませんし、こんな意識をして考えたことは、生きていて皆無でした。
私の力は、とても弱いので、見ようと意識しても全く見えないです。
ただ、普通の人よりも少しだけ霊感があるので、見えるときは見えてしまうだけです。
ほとんど、ズブの素人と同じですので、安心して下さい。
何度も書きますが、私は特定の宗教や、特定の団体やカルトなどの入信はありません。
檀家に入っているお寺が曹洞宗というだけで、神仏はキチンとお参りをしますが、変なカルトに傾倒することはありません。
Q4.稲荷信仰は、末代まで祀る必要があって、お祀りが途絶えたら、家が滅ぶと言われているから、かなり怖いのでは?
A4.うちに稲荷様を迎え入れた訳でもありませんし、豊川稲荷のお厨子を迎えた訳でもありませんから、その辺は大丈夫です。
暫くの間は、お礼参りと、参拝を欠かさないことが大切でしょう。
豊川稲荷の場合、伏見稲荷などの神道の稲荷様とは違って、愛知・豊川稲荷の狐霊塚に関して、お塚信仰はありませんから、神道の稲荷神社よりは、仏様の慈悲があると思っています。
もう少し、分かりやすく説明すると、狐様へ、お願い事や願掛けをするのではなく、あくまでも主体は『吒枳尼真天様にお願いをする』という事なのです。
稲荷系の大きい神社になると、狐様が、主神のご眷属ではなく、単体の神様として祀られているケースがあって、そういう単体の狐様などの信仰があると、少し面倒があるケースが起きます。
豊川稲荷系では、それはないので、主体はあくまでも、吒枳尼真天様にお願いをする、若しくは豊川稲荷本尊の観音様にお願いをするスタンスを崩さなければ大丈夫でしょう。
Q5.ちゃんとした霊能力者に見てもらって下さい。
A5.そういうツテがないのと、家と会社が貧しくて、お金がないから難しいです。
本当に会社が苦しい上に、うちの家計も連動して苦しくて、マジにお金がありません。
敗血症性ショックになった母親の入院費や治療費、それに私の胸腺にできた腫瘍の手術費や治療費、息子が高校に入学したことで、家計が大変なことになっているのを察して下さい。
だから、自助努力で、知恵を振り絞って、今の厄難に対して自らが切り開いて振り払うしか道がないのです。
Q6.よんたださんは事あるごとに奥さんが可愛いと言いますが、のろけですか?
A6.当たり前です。私は妻が大好きすぎて、たまりません。