無事に手術が終わって、私が退院した後…。
私はしばらくの間、術後の療養をするつもりでしたが、私でなければ、進まない仕事が溜まっていて、術後の痛みに耐えながら仕事をこなしました。
でも、私の奮闘は虚しく、会社は風前の灯火ですし、経営が思わしくありません。
そんな憂鬱な気持ちを隠せないままに、仕事が終わって息抜きをしていると、ある『お寺』が、ネットで偶然、目に留まりました。
それは『豊川稲荷』です。
豊川稲荷は、神社ではなく、明治時代の廃仏毀釈を切り抜けて、神仏習合が色濃く残る、曹洞宗の『寺院』です。
『三大稲荷』の1つが『お寺』という事実に関して、意外に思われる人も多いと思いますが、稲荷神社とは全く違って、豊川稲荷の参拝は合掌ですし、ご祈祷は曹洞宗のお経で行います。
このあたり、スピリチュアル方面で下手に霊感を持っている神道系の人が、豊川稲荷が合わないというコトで、
その手の力を少し持っている人が、波動が合わないなんて理由で、夜に肝試し的に豊川稲荷を参拝するなんてコトをやるような人もいて、当然、その後に仏罰が下るなど、由来を全く知らない上に、仏に失礼を働くような頭を抱えるサイトもあるのです。
そんな否定的な人達がいる中で、私は、豊川稲荷が、私たちにかかった呪詛を解いて、この窮地を救って頂けそうな予感がして、ここにお願いをしようと、妻を誘いました。
なぜかというと、私たちが豊川稲荷の吒枳尼真天様から、絶大な御利益があるアドバンテージが2つほど、ありそうな気がしたからです。
1つ目は、私が小さい頃から父母に連れられて、成田山を参拝した際に、成田山の離れにある、吒枳尼天様が祀られている『出世稲荷』を欠かさず参拝していることでした。
これは、父が亡くなった今でも、成田山を参拝した時には、出世稲荷を妻や子供を連れて必ず参拝しているのです。
だからこそ、私は、吒枳尼天や神仏習合に関して、小さい頃から全く違和感がありませんでした。
成田山や豊川稲荷の吒枳尼天様も、仏式で祀られているので、参拝方法は変わりませんが、本尊の目の前で唱える、真言が違うぐらいです。
2つ目は、豊川稲荷の宗派が曹洞宗であることです。
私の亡くなった父は、兄弟が10人もいるので、吃驚するほど親類が多く、親子ほど歳の離れた従兄なども多くいます。
うちは分家ですが、その本家は、私の家から近いところにあり、小さい頃から、檀家になっている曹洞宗の寺で、親類の誰かが亡くなると葬式や法要をあげることが多く、そういう事に接する機会も他の人より倍はあります。
しかも、うちも本家も同じ宗派であることから、仏縁が非常に強い事は、十分なアドバンテージです。
私は、豊川稲荷の吒枳尼真天様に呼ばれたような想いがあって、その手のサイトを巡りながら、お参りをする方法をシッカリと学びます。
家族を連れて、豊川稲荷東京別院に行ったのは3月1日の土曜日でした。
私は、関東に住んでいるので、愛知にある本家の豊川稲荷まで行くのは、距離的にとても難しいですが、東京別院も相当なお力があることが、サイトに書かれていることが多く、今の事態を打開できる事に強い確信を持っていました。
豊川稲荷東京別院は赤坂ですから、皇居や御所が近い場所にあって、都心のド真ん中にありますが、駐車できる台数が少ない駐車場も、あっさり空いていて、難なく車を駐める事ができました。
車を降りると、目の前のお店で、お餅と油揚げ、それにお酒、銭洗の弁財天様への卵も買ってお参りをします。
本堂に上がって、お供え物をして、先ずはご挨拶をしました。
ちょうど、ご祈祷をしていて、その様子を見ながら参拝ができるので、御利益がとてもありそうです。
曹洞宗だから、お経は小さい頃から聞き慣れている、雰囲気のお経ですし、本堂はピリッとする空気を感じることができます。
私たちは読経が終わったところで立ち上がって、先ずは色々なところに参拝するのを後回しにして、白い建物の奥院に向かいます。
豊川稲荷東京別院は、奥院に吒枳尼真天様がいると言われており、お力は奥院のほうが絶大だと書いていることが多かったのです。
その奥院のお堂の中に入って、お供え物をしたのですが…。
霊感が最弱な私でも、お堂に上がっただけで気圧されるぐらい、もの凄い霊圧があります。
それに耐えつつも、お酒やお供え物をして、色々と起こった不運の経緯を、吒枳尼真天様に洗いざらい、心の中で念じながらお話をした上で、悪い運を断ち切って頂くように、お願いをします。
無論、呪詛についても、解いて頂けるように願いました。
お祈りを終えた後に、立ち上がれないぐらい頭がクラクラとしたのは、神社仏閣を参拝して以来、産まれて始めてでした。
それぐらい、吒枳尼真天様のお力が強かったのです。
その日の夜は、そのお力を実感するぐらい凄いものでした。
今まで、天井を蠢いていた黒い影は、概ね、いなくなりましたし、黒い影が天井に見えた途端に『吒枳尼天様、お助け下さい』と、心の中で祈ると、黒い影が散り散りになってしまうのです。
会社は苦しいままでしたが、私の睡眠が妨げられることもなく、グッスリと眠れる日々が続きました。
…しかし…。
私たちに呪詛をやった輩は、暫くしてから、今まで以上に相当な力を持って、反撃をしてきたのでした…。