第103話 盲夏侯! (3)
「あっ! そう言えば。そうだった」
僕は惇姉さんに尋ねられて、ある重要なことをポン! と手を叩きながら思い出して。
「曹操孟徳とリアル! 生肌でじゃれ合いしていたらすっかり忘れていた」と苦笑いを浮かべながら言葉を返せば。
「曹操孟徳」
僕は惇姉さんから俺嫁へと視線を変え、言葉をかけた。
「……ん? 何、理君?」
やっと自身の優艶に乱れたチャイナドレスを整えた曹操孟徳の奴が可愛く首を傾げながら言葉を返してきた。
僕は可愛い仕草をするメインキャラにニコリと満身の笑みを浮かべると。
「僕が何進姉さんや董卓閣下の代わりに曹操孟徳へと、お仕事を依頼するよ」と告げる。
「えっ! 何? お仕事って?」
曹操孟徳は僕の話しを聞き驚嘆する。
僕は驚きを隠せない曹操孟徳へと。
「今ね、三国志オンライン戦記の定時イベントの黄巾の乱が。この世界のあちらこちらで起きて、張角大師姉妹が、我が物顔で暴れ回っているのだけれど。張角姉妹はいよいよ、漢の皇帝とも言える身分の何太后さまの首を盗るために、黄巾党の反乱軍を率いて、この洛陽へと進軍しているらしいと、董卓閣下が言っているのだよ。だから日本で暮らす僕に、自分の軍師なのだから知恵を貸せと尋ねてきた。だから僕が閣下に、黄巾党とは相性のいい曹操孟徳か劉備玄徳に討伐依頼をすればいいと進言したのだけれど。閣下は僕の好きなようにしていいと告げてきたから。僕は劉備玄徳ではなく、この世界の本当の嫁である曹操孟徳へと力を貸して欲しいと嘆願をしにきた訳だよ」と説明をした。