第97話 治世だから能臣? (5)
「裏切り者!」と「この人でなし!」と曹操が不満を告げてきたから。
「……だから迎えにきたのだろう。日本で一緒に暮らそうと思ってさ」
僕は心の中でニヤリ……。曹操の奴に対して咄嗟に嘘をついた。
「そ、そうなんだ! 理君!」
「そうだよ、曹操~。僕の気持ちに気がつかなかったのかい? だから先ほど僕が君に愛を込めて種付けをしたんじゃないか。可笑しいことを言うなぁ、君は~」
僕はまた曹操に対して嘘偽りを告げた。只この阿保が起きないから、曹操の身体をくすぐっていたら、こいつが魅惑的な声を漏らすから。僕がついついとその気……。自分の身体が熱く火照ってしまったから強引に押し倒しただけなのだが。
「そうか、そうだよね。赤ちゃんできたら、僕も産まないといけない訳だから。理君も何も考え無しにする訳はないよね」
僕っ子曹操は満身の笑みを浮かべながらお日さまのように告げてくるから。
僕は「うん」と思わず頷いてしまった。
「まあ、なりゆきで、何太后さま達や董卓閣下とその一味もいるけれどごめんね……」
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