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第68話 反撃といきたいところですが (2)

「……では何太后様の今の立場は李儒理君の彼女若しくは妻と言った立場なのですか?」


 元ゲームプレイヤーの主でイベントリ放置をした僕へと怪訝な表情で、嫌味や不満ばかりを言っていた王允先生なのだが。柔らかく穏やかな顔へと変わると何太后さまへと僕との仲を尋ねた。


「うん、そうじゃ~。王允の尋ねる通りで、李儒理樹は前世で朕に酷い仕打ちをして骸にしたから、生涯かけて責任をとり尽くしてくれると約束してくれた」

「そうなのですか?」

「うむ、そうなのじゃ」

「そう、そう、そうなのですよ。王允先生!」


 僕が何太后さまに続いて彼女へとどうだ! 凄いだろ! 男らしいだろ!  とドヤ顔で自画自賛すれば。


「ついでに李儒理樹は、姉上さまの面倒……。我が劉家を倭の国で繁栄させてくれるらしい。だから王允、お主も朕の主をちゃんと立てて尽くすように」と、カッ、カカカ……。


 僕のチイパイとは違い、ド~ン! ボ~ン! ボヨ~ン! としたオ〇パイを天空へとツン! と向け──空威張りしながら王允先生へと告げるから。


「はっ、はぁ~」


 王允先生は中華式の正式な、高官らしい、自分の両手を使い一礼しながら納得し。


「何太后様と理君、わたくしも戦場へと戻ります……。そして皆様のように活躍をしてみせます」と。


 僕達二人へと真剣に、冗談なく告げると。


「皆~、いきますよ~。わたくしについてきなさい~!」


 王允先生が召喚したウィザード仕様の埴輪仕様のおもちゃの兵隊達へと戦女神さまのよう旗ではなく、魔法杖を天空へと掲げ、急ぎ足で戦場へと走り始める。


「ピィ~~~!」

「キャ~~~!」

「ピイピイ」


 埴輪仕様のおもちゃの兵隊達は個性無く、どれも同じ甲高い声音で叫びながら、先頭をいく王允先生の背を追い駆けるから。僕も彼女達の背を見ながら、両足で走らずに僕のように埴輪仕様の木馬お馬ちゃんに跨いで移動をする方が早いのにと、苦笑いを浮かべながら思うと言うことはない。まあ、ないのだよ!


 だって~~~! 僕は~~~! 何太后さまと弁王子小霊帝さまの件は……。自分が手をかけたから、罪悪感があり、生涯尽くし、養う必要性はあると思うし。それが人の道理で義だと思うからいいよ。


 でも何進姉さんを骸にしたのは十常侍だから、彼等? 彼女達なのかは? 僕自身もわからないけれど。十常侍の人達に責任をとってもらうべきであり。それが道理なので。


~、どう言うことだ? 僕はお前と小霊帝の件は納得しているけれど。何姉さんのことは何も聞いてはいないぞ? なのに? 今王允先生へと告げた言葉はどう言うことだ?」


 僕は何太后さまへと自分の目を細め、ガル、ルルルと重圧ある言葉で唸りながら尋ねた。




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