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第67話 反撃といきたいところですが (1)

「みんな~、朕のためにありがとう~」


 我が家の駄女神さま……。いいや、この電子! 霊子! 元々三國志オンライン戦記と呼ばれるアプリケーションゲームだった世界にバグを入れ、生命の灯火を入れ、宿し、新しい世界を創造した女神さまの一人である美と妖艶の女神さま……。


 この漢帝国の皇帝ともいえる存在の何太后さまが、自分の華奢な腕で涙を拭き、女神さまの鶴の一声で新たに集ったメンバー達へと微笑みながらお礼をつげれば。


「いいえ、いいえ」」

「何のこれしき」」

「漢の将ならば当たり前の事ですよ。何太后様~」

朱 儁しゅ しゅん殿や徐 璆じょ きゅう殿、秦頡殿の言われる通りですよ。何太后様~。わたくし達は漢帝国と貴女様の忠実な僕で御座います~。今後はわたくしの事をポチと呼んでくださいませ~」と。


 僕の可太后さまや何姉さんとは違い、金髪碧眼のエルフさまではなく、銀髪に青い瞳のエルフな王允先生が真面目に前世の僕への埴輪仕様のおもちゃの兵隊ウィザード部隊による攻撃を小隊長に「ピィ!」と任せ、自分は手休めしながら、自身の雪のような肌色を持つ顔を桜色に染めつつ、お酒を飲みほろ酔いしたような目──。逝った目をしつつ歓喜しながら、自分達は漢の陛下を崇拝しているから大丈夫だと大袈裟に告げるから。

 僕は王允先生の様子を見ながら「あっ、ははは」と苦笑いを浮かべると。


「何でわたくしを途中で育てるのを辞めてイベントリーへと放置をしたあくどい、李儒理君がいるのですか?」


 何太后さまへと忠実なポチですハァハァと息荒くしていた王允先生が僕へと視線を変え、怪訝な表情で尋ねてきた。


「えっ! いや! が毎日僕の枕元へときて、前世の僕から嫉妬に狂い、自分の魂を縛り、酷いことばかりをするから助けてくれと言ってきていたので。今日は僕も前世の僕に切れてを賭けてタイマンをしていたら。あいつ、自分の分が悪いと気がついて魔物へと変身したので、と二人で協力して戦っていたけれど。こちらの魔力切れになりそうだから、みんなへとSOSを送ったと言う訳だよ」


 僕は怪訝表情で睨む王允先生へと苦笑いを浮かべながら言葉を返した。


「ふむ、なるほど……」


 僕の説明を聞き王允先生は、取り敢えず納得してくれた。


 だから僕はホッ! と安堵するのだった。



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