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第47話 もしかして赤い糸で結ばれている? (2)

「だから朕は女神の前……。悪霊化する前の人の頃……。己の身と小霊帝の身を守るために、董卓とも交わっていた。そして機嫌取りもした……。それでものぅ、李儒理樹……。朕の最後の夫と呼べる殿方は前世のお主じゃ、た。だから朕は洛陽の城郭の城壁の上まで、のこのことお主についていったと言う訳じゃ。まさか主に殺されると知らずにのぅ~。あの場所……。洛陽の城壁の上が朕と李儒理樹との思い出の場所……。そう二人が人目を避けて逢引き繰り返し、契り、交わっていた秘密の場所だからのぅ~。朕は主に殺害されるとは知らずに嬉しそうに、のこのこと後をついていったと言う訳じゃ……」


 何太后さまは、にへらと笑いながら悲しそうな声音で教えてくれた。



(ここまで)



「そ、そうだったの、~?」

「ああ、そうじゃ~。そうなんじゃよ~」


 僕が尋ね返すと何太后さまは、遠くを見詰めるように、と言うか? 先ほど前世の僕が彼女の首を絞め、落とした場所……。


 そう僕と前世の僕とが、高貴な若い親子を助けるためにタイマンを張り、殴り合いをした場所を懐かしそう……。


 でも寂しそうな眼をしながら見詰めつつ、三国志好きの僕が知らないことを教えてくれた。


 だから僕は「知らなかった」と我が家の駄女神さまへと告げれば。


「三国志の物語では記載されてはいない、切ない恋話だからのぅ~。近代生まれの李儒理樹が知らないのは当たり前のことじゃ……」と教えてくれた。


「そ、そうだよね。あっ、ははは」


 僕は今何太后さまの話を聞き──。彼女が何故? 真夏の世の幽霊ヒロイン達みたいに、僕の枕元へと立ち、床に入ったりしては生気、精気を吸い始めた理由が謎でわからなかったけれど。

 今の何太后さまの説明を聞き、理由がわかったのだ。



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