でも異世界召喚を告げた僕には何故か、自分へと異世界チート能力の魔力や武力……。
そして武器を与えてくれる女神さまの方が現れないので、僕のゲームの世界での異世界冒険譚は敵との素手でのタイマン一本勝負になっている。
だから僕は少々疲れた……。顔や身体中が痛いなと不満を漏らしながら。先程僕の危機を教えてくれた女性は誰だろう? と思う。
まあ、思うだけよ~~~! だって僕が気を抜き力を加減すれば。悪しき者李儒が文官タイプの軍師の癖に生意気にも僕の顔へとロ〇コンパンチをうりゃ、あああっ! わりゃ、あああっ! ではなく。
こいつはロボットやサイボーグ、AIのように無言で「…………」と殴ってくるから。
僕は李儒の見えない首へと、多分ここだ! と思う場所に、自分の二の腕を回して──スリーパーホールドで敵の動きを止める。