「うりゃぁ!」
「…………」
「わりゃぁあああっ!」
「…………」
「こんちくしょう!」
「…………
「なめんなよ!」
「…………」
僕は暗黒化している黒の宰相こと、董卓仲頴の軍師だった李儒と取っ組み合い! 殴り合い! 蹴り合い! を唸り吠えつつ。でも相手の李儒の方は何故か無言だけれど乱闘をしている最中……。
そう先ほど僕は城壁の上から良い子に下を覗き──。地面へと落下した御二人……。何太后さまと
だから僕は振り向きながら裏拳で李儒の真っ黒な顔へと打撃──!
その後はこの通りで、僕は異世界ファンタジーな冒険譚の
それも素手で殴り合い、蹴り合い、転ばし合い、取っ組み合いの泥臭いタンマンをおこなっている最中……。
だってここは! この世界は異世界!
それも多分、僕がプレイをしていたアプリケーションゲーム……。急なメンテと共に配信中止になった
でも異世界召喚を告げた僕には何故か、自分へと異世界チート能力の魔力や武力……。
そして武器を与えてくれるはずの麗しい女神さまの方が現れないので、僕のゲームの世界での異世界冒険譚は敵との素手でのタイマン一本勝負になっている。
だから僕は少々疲れた……。顔や身体中が痛いな~! と嘆き、不満を漏らしながら。先ほど僕の危機を教えてくれた女性は誰だろう? と思う。
まあ、思うだけよ~~~! だって僕が気を抜き力を加減すれば悪しき男──。李儒が文官タイプの軍師の癖に生意気にも僕の顔へとロ〇コンパンチを『うりゃ、あああっ!』、『わりゃ、あああっ!』ではなく。
こいつはロボットやサイボーグ、AIのように無言で「…………」と殴ってくるから。
僕は李儒の見えない首へと、多分ここだ! と思う場所に、自分の二の腕を回して──スリーパーホールドで敵の動きを止める。
まあ、止め続けているから本当に疲れた、面倒だな……。早く僕の夢の中? アプリゲームの中? から目覚め、抜けでて、ベッドの上で安眠……。熟睡をしたいよな~~~! と思う。
「うごぉ、おおおおおおおおおっ!」、「うがぁあああああああああっ!」
僕がこの手の異世界冒険譚のお約束事のように自分の集中力を切らし嘆き、愚痴を漏らせば。僕の周りの世界……。
そう僕の瞳に映る世界観を注意深く見てフムフムと観察していれば悪代官の李儒のやつがやっと声を……。それも怒声? 罵声? まあ、咆哮かな!?
まあ、こいつが吠えると自分の首に回っている僕の二の腕を強引に解き、離し、突き飛ばせば。
何故か李儒の奴は城壁から自ら飛び降り、落下──!
そして李儒の奴は器用良く地面に立つと──。あいつの黒い身体はスター〇ォーズの〇ースベーダ―卿のような甲冑姿へと変貌しながら巨大化していった。
だから僕は悪者李儒の容姿を見上げながら。
「何だぁああああああっ、こいつはぁああああああっ!?」と驚嘆するのだった。
◇◇◇
(済)