「おい! お前ー! 李儒! いい加減にしろよー! 何で女性や小さな子にー! そんな酷いことばかりをするんだぁあああっ!? これからも二人に酷いことばかりを続けるのならば! 僕はお前のことを許さない! 許さないぞー!」
僕はとうとう李儒が二人へとする残虐行為に対して我慢……。耐え忍べなくなり、とうとうプッン! と切れてしまった。
だから何太后さまと小霊帝さまの容姿……。物の化と化している容姿を見てもいつものように恐れ慄き、震えるのではなく。
太古から二人の霊を束縛し、情け容赦なく苛め続ける李儒の悪霊に対して僕は怒声を吐き、諫めてやった。
「……ん? あれ?」
すると僕の身体……。
そうパジャマ姿だけれど僕の身体は何故か黒い暗黒の影……。李儒がいる城壁の上……。僕は異空間の中なのだろう? その場に立っているのだ。
だから僕は困惑……などしないよ!
だって僕はこのチビな優男容姿で、自分のことを【僕はね】と呼ぶから、みんな大変に大人しい男だといつも勘違いをされるけれど。
僕は中学生まで近所の空手道場に通っていたから、空手の初段の腕前でね、地元でも喧嘩が強いのだとちょっとした有名人だから。
僕は李儒の背後につけば直ぐにこいつへと回し蹴りを入れてやった──!
でも李儒はどうやら悪霊みたいだから、僕が背に回し蹴りを入れても透けて──空蹴りになるだろうな? と思えば。
《ドーン!》
「あれ? 手応えがある」
そう僕が独り言を漏らしてしまうほどの感触……。普通に人の背を蹴り倒したのと変わらない感触があるから。
「うぎゃぁ、ああああああっ!」
李儒は大袈裟な絶叫を上げ──城壁の石の路面の上に倒れた。
だから僕は李儒の地面に倒れている容姿を見て、本当に大袈裟な奴だなと苦笑いを浮かべると。やはり李儒は軍師で文官タイプの将だから武力の方は本当に低いなとこいつを嘲笑う。
でッ、そのまま李儒の横腹──ちゃんと人の急所でもある肝臓へと狙いを定め。
「どりゃぁ、あああっ!」、「でぇ、りゃぁ、あああっ!」
僕は威勢のある荒々しい声を張り上げながら李儒の横腹へと数発蹴りを入れた。
だから李儒の口から、その都度。
「ぎゃぁ、あああっ!」
と絶叫が吐かれるから。こいつ本当に弱ちぃなぁと僕は思い。
「李儒、次に何太后さまと小霊帝さまに酷いことをしてみろ、僕が許さないからな~。ペッ!」と。
僕は最後に城壁に転がり呻る李儒へと唾を吐く悪態をついてやったよ。
だって僕は正義の味方……。まあ、
でッ、終われば、地面で転がり呻る李儒のことは無視して──。城壁の上を夢ではなく、リアルに歩けている気が僕はするから、素足で石組んで出来ている道の感触を自分の足裏で堪能しながら地面に転がる何太后さまと小霊帝さまの躯、遺骨を見て確認してみようか? と思いながら城壁の端……。
そう、先ほど李儒の奴が何太后さまと小霊帝さまを突き落とした場所へと僕も移動を試みる。
そして城壁の上から下を覗こうと試みれば。
「
僕に危険を知らせる絶叫交じりの女性の声が耳へと聞こえてきたのだった。
◇◇◇
(済)