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悪役令嬢に転生したのでヒロイン落としてもいいですよね?まずは攻略キャラを蹴落とすことから始めましょうか
クラウン
異世界恋愛悪役令嬢
2024年10月29日
公開日
2,522文字
連載中
ごくごく平々凡々なOLの青葉蘭はある日電車事故にあい急死する
次に目が覚めた時、蘭はある人物へと生まれ変わっていた
それは生前蘭が傾倒していた乙女ゲーム「ローズクォーツの姫君」に登場する悪役令嬢ハイネ・リューデスハイムその人だった
そして蘭は絶望する、それは悪役令嬢に転生したという事実よりも何よりもハイネというキャラが自身の最推しであるローズクォーツの姫君の主人公、ユーリ・ローレライを害する地雷キャラだったからだ
よりにもよって大嫌いなそのキャラに転生したことを絶望するなか蘭はふと、とあることに気付く
それは、ハイネが悪役令嬢である以上誰になんと思われようと、嫌われようと、ユーリと他の攻略キャラ達のフラグをへし折り蹴落としても、別にいいんじゃない?というものだった
かくしてユーリ一筋のハイネin蘭によるユーリ攻略物語が始まるのだった
だけどおかしいぞ!全キャラ敵に回す覚悟もしていた筈なのに何故かそれぞれの登場人物達と方やライバル、方や犬猿の仲などなどそれなりの関係を築けてしまっている気がするが……
はっちゃけちゃった悪役令嬢による百合、TL時にはほんのりBLも!?
そんなラブコメが始まったりする

プロローグ 嫌いなあいつが鏡に写ってるけど転生したんですか!?

 人の人生というのはいきなり終わる

 それを実感するのにそんなに時間はいらなかった

 むしろ一瞬とか、それぐらい

 いつものように会社から帰宅しようとして電車を待っていたとき

 後ろからドンっと大きく押されて私はそのまま線路に倒れこんだ

 誰かが押したのかもしれないし

 帰宅ラッシュでたまたまぶつかっただけなのかも分からない

 ひとつだけ、わかったこと、それは

 ああ、私……死ぬんだなというそれだけだった

 次の瞬間には私は、大きな警笛を鳴らす電車に、轢かれて、死んだ


「おや、ハイネ様、お目が覚められましたか? 皆! ハイネ様がお目覚めになられましたよ! ああ! まだ起き上がってはいけませんよ」

 ふと、目を開くと映ったのは駅でもなければおそらく天国とかそういうものでさえない高い天井だった

 そしてメイド服の初老の女性が嬉しそうに大声で誰かに呼び掛けながらベットから身を起こそうとする私を優しく押し留める

「ここ、は……」

 何処なのか、聞こうとして発した声はあまりにもいつもの私の声とは違いすぎて慌てて自分の喉に手を当てる

「ここはお屋敷でございますよ」

「おや、しき?」

 そんな私に初老の女性は笑顔でそう答える

「おやおやお可哀想に、数日間高熱に魘されていたものですからどうも混乱なさっているご様子で……すぐに暖かい飲み物でも運ばせますから、今はご安静に」

「はい……」

 聞き返せば涙を浮かべながら優しく私に布団をかけ直す

 そこまで心配されれば流石に何も言えなくて私はそのままベットに身を預ける

「……それにしても外が騒がしいですね……ハイネ様がお目覚めになられたのが嬉しいにしても病み上がりにこんな騒音ではまた具合を悪くしてしまいます、少し、外を見て参りますので、ハイネ様はゆっくりお休みを」

 初老の女性はそれだけ言うと足早に部屋を出ていった

 それを合図に勢いよく私はベットからおきあがる

「……」

 無言で周りを見渡してみれば天涯付きのベットに色とりどりに施された装飾やきれいなドレッサーなどそれはまるでお姫様が住んでいるような部屋だった

「ここは……それにこの声」

 はっきり言えばこの部屋には見覚えがあった

 それに自分の喉から発されるこの声も聞き覚えがある

 私はバッと自分の手に視線を走らせればそこにあったのはおばさんのあかぎれした骨張った手ではなくぷっくりとした柔らかそうな子供の手だった

「待って……一回落ち着かないと……って、ええ!?」

 一度、こういう時は落ち着いた方がいい

 それが私の持論だ

 しかし壁際にあった姿見に映った自分の姿を見てはついすっとんきょうな声をあげるしかなかった

 これは、間違えるはずがない

 なぜならそれは、そう、嫌というほどに見た憎いあいつの幼い頃の姿だったのだから

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