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第13話 対決、キャット・タワーズ!!

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 バトルルール:殲滅戦

 残りタイム:13分30秒


 プレイヤー1:ハクト

 HP:802/1000

 スロット1:バランサー  (★常時適応中★) 

 スロット2:インパクト  (残りE:10/10)(■非公開)

 スロット3:インラインスケート (残りE: 5/5)(■非公開)

 スロット4:《R》クイック・アトラクト (残りE: 2/2)(■非公開)


 プレイヤー2:カグヤ

 HP:803/1000

 rank:2

 スロット1:ファイアボール (残りE:10/10)(■非公開)

 スロット2:《R》アクセル・アクション(残りE:3/3)(■非公開)

 スロット3:ヒートライン (残りE:2/2)(■非公開)

 スロット4:《R》バンブープリズン (残りE:3/3)(■非公開)


 プレイヤー3:アリス

 HP:808/1000

 rank:2

 スロット1:ショートソード (残りE:3/3)(■非公開)

 スロット2:ロングソード・ハード (残りE:3/3)(■非公開)

 スロット3:《R》カウンター・アタック (残りE:3/3)(■非公開)

 スロット4:二連斬 (残りE:5/5)(■非公開)


 プレイヤー4:キテツ

 HP:801/1000

 rank:2

 スロット1:メタルボディ   (残りE: 3/3)(■非公開)

 スロット2:ハイパー・パワー・バフ (残りE: 3/3)(■非公開)

 スロット3:フォートレス (残りE: 3/3)(■非公開)

 スロット4:反応装甲 (残りE: 3/3)(■非公開)


 VS


 プレイヤー5:Mr.パルクール

 残HP:1000/1000

 rank:2

 スロット1:脚力強化 (残りE:3/3) (★適応中)

 スロット2:────

 スロット3:────

 スロット4:落雷 (残りE:2/3) 


 プレイヤー6:パルワ

 残HP:1000/1000

 rank:2

 スロット1:脚力強化 (残りE:3/3) (★適応中)

 スロット2:────

 スロット3:────

 スロット4:────


 プレイヤー7:パルツ

 残HP:1000/1000

 rank:2

 スロット1:脚力強化 (残りE:3/3) (★適応中)

 スロット2:────

 スロット3:────

 スロット4:────


 プレイヤー8:パルス

 残HP:1000/1000

 rank:2

 スロット1:脚力強化 (残りE:3/3) (★適応中)

 スロット2:────

 スロット3:────

 スロット4:────

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 プレイヤー5:Mr.パルクール


 スロット4

 ギア名:落雷

 GP:3   最大E:3   最大 CT:3

 ギア種類:マジック

 効果分類:単体指定

 系統分類:雷

 効果:自分の高さ未満の真下単体指定。その対象に雷属性200ダメージ与える。


 ※Mr.パルクールはメモリーカードにより、効果範囲を範囲技として強化している

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 先程放たれた雷のデータはこれだった。

 攻撃範囲が自身の真下という、比較的限定的な攻撃技。

 元々が単体攻撃という差はあるが、ダメージ量だけならカグヤの【ヒートライン】直撃と同じ値。

 油断出来るギアでは無かった。


「ハクト君、お願い!」

「ああ、しっかり捕まってて! 【インパクト】!!」


 ハクトは、カグヤを抱えて飛び上がる。

 敵チームのいるだろう、ビルの屋上に向かうために。しかし……


「だめ、まだ高さが足りない!!」

「もう一回、【インパクト】!!」


 模型のビルの高さは15m前後。ハクトのRank2の状態での【インパクト】の距離は15m前後。

 本来なら、ギリギリ届く筈の高さだが……人一人追加で抱えている状態だと、どうしても移動距離は下がってしまう。


 幸い、空中で再発動出来る技術はとっくに手に入れているため、追加でギアを発動して屋上まで到達、着地する。


「よし! ありがとう!!」

「到着! ここに……!!」


「ようこそ、ハクト選手!! カグヤ選手ッショ!!」

「「「歓迎するっショ!!」」」


 そこには、キャット・タワーズの面々が待ち構えていた。

 屋上の一番高台の位置に、Mr.パルクールが立っている。

 その一段下に、残り3人が立っている状態だ。


「やっぱり、全員ここに来てたか!! カグヤ、ここは……!」

「いいえ! 作戦通り、他の二人も連れて来て! じゃ無いと、流石に1対4じゃ流石にキツイ!」

「っ! 分かった!」


 そう言って、ハクトはビルの屋上から飛び降りていく。

 後10数秒もしない内に、他の仲間もやってくるだろう。


「……さて、こんな場所で立ち会えて光栄ね。まさか開幕──」


 軽いトークでもして、お茶を濁して時間稼ぎでもしようとするカグヤ。

 ──しかし、間をおかず高く飛び上がったMr.パルクールの姿を見て、言葉を中断する。


「──ッ?!」

「スロット4、【落雷】ッ!!」

「スロット2、《R》【アクセル・アクション】ッ!!」


 躊躇なく、カグヤの真上で再発動された先程の雷のギア。

 屋上の広範囲に落とされるそれを、カグヤはとっさにリアクションギアを切って回避する。

 範囲外に逃げるために、屋上の縁ギリギリまでとっさに移動するしか無かった。


「っ!! 乱暴ね──」

「スロット2、3ッ!!」


 顔を上げたカグヤが見たのは、“雷の剣”を生やしたキック。それが一瞬で距離を詰めて放たれていた。

 それが“3連”。


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 プレイヤー6:パルワ

 プレイヤー7:パルツ

 プレイヤー8:パルス

 スロット1:脚力強化 (残りE:3/3) (★適応中)

 スロット2:サンダー・ロングエッジ(残りE:3/3)(★適応中)

 スロット3:エマージェンシー・エスケープ(残りE:1 → 0/1)

 スロット4:────

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 サンダー・ロングエッジ。電撃の剣。

 エマージェンシー・エスケープ。《R》ギア。緊急回避用のギア。


 本来緊急回避に使うはずのギアでさえ、一瞬で距離を詰める為だけに使用した。

 ただカグヤの、不意を付くためだけに。


「……悪いッショ。本当はじっくり話したかったけど……君だけは、一切油断できないから速攻決めさせてもらうッショ」



 ☆★☆



「っつう!! いったあ、流石にクッション無しに15m落下は、ある程度ダメージあるな……!」

「白兎、次は俺! 俺連れてけ!!」

「ああ、わかっ……」


「きゃあああアアアアア────ッ?!!」


「っカグヤ!?」

「イナバ君、その更に上!?」


 ハクトが地上に着地したと同時、カグヤの悲鳴が響き渡る。

 上を振り向くと、カグヤが空中に突き落とされていた! 

 さらに、その上にはキャット・タワーズの4人が飛び上がっており……


「「「「スロット4!! マジック、【落雷】ッ!!」」」」


 4人がかりの、雷の同時発動を宣言されていた。


「っカグヤァァァ────!!!」

「っ、ハクトく……」


 ハクトはとっさに、自身だけ【インパクト】で飛び上がる。

 雷が落とされる直前、カグヤに触れることは出来た。


 ……だが、回避は間に合わなかった。


 その瞬間3つの小さな雷、さらに大きめの雷一つがハクトとカグヤを襲う!! 


「うわああああぁぁぁぁぁッッッ?!!」

「きゃああああぁぁぁぁぁッッッ?!!」


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 プレイヤー1:ハクト

 HP:802 → 750 →→→ 352/1000


 プレイヤー2:カグヤ

 HP:798 →→→ 651 →→→ 51/1000

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 ハクトとカグヤは、一緒に大ダメージを食らってしまった。

 ヒートライン級のダメージの技が、4人分。

 本来なら即死級のダメージ総量だったが、内、3人が単体技扱いなのが幸いした。

 ハクトはギリ一人分庇い、カグヤのトドメへの攻撃を止める事が出来ていた。


「は、ハクト君。ありがとう……」

「だ、大丈夫……それより、カグヤの方こそ!?」

「ごめん、油断したわけじゃ無かったんだけど……思った以上に集中狙いされちゃったわ」


 二人は地上にそのまま着地する。

 しかし、今のダメージは思った以上に大きかった。


『ハクト選手とカグヤ選手、一気に大ダメージ!? カグヤ選手に至っては風前の灯だー!?』

『キャット・タワーズの速攻性が凄え!? 持ちギアのシークレット性をほぼ全部投げ捨てる代わりに、カグヤ選手を確実に葬り去ろうとしてやがった!? ハクト選手が庇わなかったらカグヤ選手終わってたぞ!?』

『しかし、それでもダメージ総量が痛すぎるー!! これではカグヤ選手、再度ビルの屋上から落とされたら落下ダメージだけで、脱落状態だー!!』


 実況の言うとおり、カグヤは今の一瞬でほぼHPが尽きている。

 再度上に上げたとしても、いくらRank3経験者とはいえ今度こそとどめを刺されてしまうだろう。


「白兎、卯月、大丈夫か!?」

「やられたね。まさか二人がここまで一気に削られるなんて……」


 アリスはビルの屋上を睨みつける。

 そこには、キャット・タワーズ達が雷を放った後、別のビルに着地している様子が見えた。

 どうやら脚力強化で、飛び移りながら攻撃が出来るらしい。


「してやられたわ……相手チーム、私たちが一人になった時を集中攻撃してくるわよ」

「それじゃあ、白兎に屋上に連れてって貰って置いていかれたら、卯月の二の舞じゃねえか!? どうすんだよ!!」

「イナバ君をすぐに下ろさず、二人で……いや、流石にそれでも厳しそうだね」


「……二人同時に運ぶ」

「っ!! ハクト君、出来るの? 流石に重すぎない?」

「【インパクト】は残り7発。3人分の重さで、この高さなら……感覚的に行ける筈!」

「……そう、分かったわ。ひとまず、私は地上に残らせてもらうわ。そこで囮になる。ハクト君は戻ってこないで。3人で上の対処してきて!」

「「「了解!」」」


 ハクトの提案に、チーム全員が了承する。

 ハクトは片腕それぞれに、アリスとキテツを米俵のように横に抱え込む。


「お、重いぃ……」

「おおい!? これ本当に大丈夫なのかよ!?」

「イナバ君、腕力強化のギア持ってないからね……耐えられるかい?」

「そ、それでもやる!! いくぞ!!」


【インパクト】ッ!! そう叫んでハクトは飛び上がる。

 3人分の重さにより、高さは5m程しか届かない。

 けれど、このビルの高さなら4発もあれば屋上に余裕を持って着地出来るだろう。

 しかし……


「そう簡単には、上がらせない!! スロット4!! マジック、【落雷】ッ!!」

「っ!! イナバ君、上!!」


 キャット・タワーズの一人が、再度雷を放ってくる。

 ハクト達の邪魔をするつもりだ! 


「まだだ! “スカイ・ラビット”ッ!!」

「うおあッ?!」


 空中で真横に衝撃移動、ハクトの得意技だ。

 3人抱えた状態だったが、単体攻撃の雷を避ける程度のスライドは出来る。

 急激な制動にキテツは悲鳴を上げるが、なんとかハクト達3人とも回避出来た。


「まだいるぜ! マジック、【落雷】ッ!!」

「こっちもだ!  マジック、【落雷】ッ!!」

「っ!! 連続、“スカイ・ラビット”ッ!!」


 しかし、残りの二人もボーっと見ているわけでは無い。追撃がやってきた。

 それを再度、ハクトはギリギリ避け続ける。

 しかし、3人分の重さでは雷を避けるのに、全力で真横に移動しなければ躱しれない。

 攻撃を避けるために、高さが一切稼げない!! 


 このままじゃジリ貧だ。

 またビルを飛び移った敵チームが、再度雷を落として来ないとも限らない! 


「あああぁぁぁぁッ!!! “スカイ・ラビット”ぉぉおッ!!」

「おおああぁっ!?」

「くぅぅぅぅっ!!」


 残りの【インパクト】を、一気に注ぎ込む。

 高速4連打で、一気に空を駆け上がる! 

 もうすぐ屋上だ。最後の一発を起動して、このまま屋上の真上に飛び上がり────



「──スロット3。サモン、【サモンブロック】ッショ」


 ハクト達の真上に、ブロックが現れた



「っは?!!」

「ぐえぇっふ?!」

「グギィうッ?!」


「別にブロックは、予めフィールドにある分しか無いわけじゃないっショ」


 前の試合までフィールドにあったブロック。それの巨大版が目の前に現れた!! 

 ドゴしゃッ!! っと、空中に急激に現れたブロックに衝突してしまう。

 最後の【インパクト】はとっくに使い切ってる。ハクト達の移動はそこで終わってしまった。


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 プレイヤー3:Mr.パルクール


 スロット3

 ギア名:サモン・ブロック

 GP:2  最大E:3   最大 CT:3

 ギア種類:サモン

 効果分類:召喚持続

 系統分類:ブロック

 効果:射程5m。指定箇所に直径5mのブロックを召喚する。

 ただし、キャラの真上に落ちた場合、セーフティとしてすぐに自壊する。

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「う、わ、わわっ?!」

 ブロックに衝撃を殺されたハクト達は、そのまま落下してしまう。

 真上のブロックと共に。


「「「うわああああぁぁぁぁぁっ??!!!」」」



 そのまま、ハクト達は地上へと戻されてしまったのだ。

 高台にいる、キャット・タワーズと距離を離されて……




 ★因幡白兎(イナバハクト)


 主人公。

 白兎パーカーを着た、空を飛びたい夢を持った少年。


 今回のキーマン。

 なのに大ダメージ喰らって大ピンチ。


 ★卯月輝夜(ウヅキカグヤ)


 ヒロイン。

 ハクトをマテリアルブーツに誘った張本人。

 ムーンラビットリーダー。


 まさかの集中攻撃で大ダメージ。

 Rank3経験者といえどあそこまで一瞬で集中だとキツかった。



 ★有栖流斗(アリスリュウト)


 ムーンラビットメンバー。

 剣使いの優男。


 文字通りお荷物として抱えられていた。



 ★浦島亀鉄(ウラシマキテツ)


 ムーンラビットメンバー。

 目立ちたがり屋のパワータイプ。


 文字通りお荷物として抱えられていた。



 ★チーム:キャット・タワーズ

 パルクール集団。

 全員がほぼ共通のギア構成をしている。

 例外なのはリーダーだけ。



 ★Mr.パルクール

 本名、猫山飛尾(ねこやまとびお)

 パルクールの天才。

 チームリーダー。



 ハクトの大ファン。

 決勝で当たれた時のために、作戦は十分考えてきた。

 大人とはいえ、ファンだからこそ子供に対して手加減などしない。

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