腕の中で冴子さんが震えながら言う。
「うん。」
俺は別に何とも思っていなかった。冴子さんの着ているワンピースのボタンを外して行く。
「塚越くんが見たら、引いちゃうかもしれないの…」
俺は冴子さんのワンピースを脱がす。ワンピースがふわっと落ちる。キャミソール姿の冴子さんの背中には大きなケロイド状の火傷痕。これだけの大きな火傷だ、きっと治療するのも大変だったろうに。下手したら死んでいてもおかしくない。
「酷いでしょ…」
そう呟く冴子さんに胸が締め付けられる。俺は冴子さんのキャミソールの下に手を入れて、キャミソールを脱がす。火傷痕は背中の真ん中辺りまであった。その傷痕に触れる。冴子さんがピクンと体を震わせる。
「痛くない?」
聞くと冴子さんは小さな声で言う。
「たまに疼く時があるし、背中の皮膚が張る時もあって…」
俺は自分の着ていたTシャツを脱ぎ捨てる。冴子さんを抱き締めて言う。
「引かないよ、全然、大丈夫。」
抱き締めた俺の腕に雫が落ちて来る。冴子さんはまたポロポロと涙を零している。
「すごくキレイだ…生きる為に戦って、勝った証拠だもん。」
俺は冴子さんの体を撫でる。手を這わせて冴子さんの胸をその手で包む。
「ん…」
冴子さんの口から可愛い声が漏れる。両手で冴子さんの胸を包み、指先でその先端を摘む。冴子さんの体がビクビクと震える。あぁ、何て可愛いんだ。抱き寄せている冴子さんの履いているショーツも総レースで、こんな下着を付けていたんだと思うと更に興奮する。冴子さんが俺の手を取り、自分の下腹部に当てる。
「ここ、さっきから疼いてるの、キュンキュンしてて、苦し…」
そう言われて限界だった。俺は冴子さんを抱き上げて敷かれた布団の上に寝かせる。覆い被さって口付ける。
息を切らして脱力しかける。冴子さんを潰さないように体を起こして体を繋げたまま、冴子さんの足を持って冴子さんの体を横向きにして背後から抱き締める。
「愛してるよ…」
口をついて出た言葉だった。冴子さんがしゃくりあげる。俺はそんな冴子さんを抱き締めて言う。
「愛してる、愛してるよ、冴子…」
冴子さんの耳元に口を寄せて耳元で囁く。
「愛してる、冴子…」
彼女の中で果てた後、ティッシュでそこを拭う。見るともなしに見るとティッシュには赤い血が滲んでいた。…え?…血?俺は慌てて冴子さんに寄り添い聞く。
「もしかして、冴子、すげー痛かったんじゃない?」
冴子さんは少し呆けて聞く。
「何で?」
俺はティッシュを握って言う。
「血、滲んでた…」
それを聞いて冴子さんが少し笑う。
「大丈夫だよ…」
俺は自分の気持ち良さ優先で抱いてしまった事を後悔していた。
「いや、でも、」
冴子さんが体の向きを変えて俺を見る。
「私の今のこの状態、見て分かるでしょ…」
うっとりした顔、潤んだ瞳、気怠げな話し方。そして俺に手を伸ばして言う。
「キス、して…」
唇を重ねる。舌が絡み合う。唇が離れると冴子さんは俺の胸板に顔を埋める。冴子さんを抱き締める。
「恥ずかしいから、このまま聞いて。」
冴子さんが言う。
「うん。」
頷くと、冴子さんが顔を埋めたまま言う。
「さっきので何回イッたか分かんないくらい、気持ち良かったの、それに、郁弥くんの、大きいから…」
そう言われて俺も恥ずかしくなる。冴子さんが小さな声で言う。
「好き…」
あぁ、可愛い…。
「愛してる、冴子…」