昨晩は私がキョウちゃんにせがまれるままにお話をした、そのおかげか私も今1度自分自身のなりたい自分やりたいことを再認識できたので、ある意味良い機会だった。
「さてノゾミちゃん~、どうやってレイジくんの知り合いさん探す~?」
「どうしようかねー? とりあえずアカデミーに行って、レイジと合流しよっか」
私たちは朝食をしっかりと食べ、アカデミーへと向かう。
――――――
アカデミーに到着すると既にレイジが入口で待っていた。
「まったく……お願いしている立場だから文句は言えねェけど、もうちょっと早くこれねェのか?」
「女の子には女の子の事情があるんだよ~? レイジくん……モテないでしょ~?」
「う、うるせェ!! 今そんな話はしてねェだろ!?」
図星だったのか狼狽えるレイジ、しかし確かにゆっくりしすぎた部分はある。
「ごめん、確かにのんびりし過ぎてた、レイジにとっては大切な……大切な人? だもんね?」
言っていて自分で自信がなくなってきた。
「え、レイジくんってその弟分くんのことが~!?」
「そんなわけねェだろ!? まったく、もう少し緊張感というかもう少し真面目にやってくれよ……」
「ごめんごめん、ちょっとふざけすぎたね? それでレイジ、何か探すあてはあるの?」
あまり期待はしていない問いかけだったので、レイジもわかっているようで首を横に振る。
「ダメだ、もしかしたらここに戻ってくるかと思って、一応昨日の夜からここにいるが戻って来てねェ」
「そっか、なんか悪いことしちゃったね……あ、そうだ!」
ふと私の中に1つの可能性が浮かび上がる。
「どうしたのノゾミちゃん~?」
「レイジ……もう1回飛んでいっちゃわない……?」
どういうことだ?と首を傾げるレイジ。
「その弟分が飛んで行った方へもう一度私が飛ばしてあげる」
「……流石に却下させてくれ、アレは生きた心地がしねェ、それに運が悪けりゃ二重遭難になる」
それもそっか、名案だとおもったんだけどなぁ。
「じゃあ予定通りにしようか~」
そう言ってキョウは受付のお姉さんと話を進め、いくつかのクエストを受けて来てくれた。
「あのなァ人探しをするって言うのにどれだけのクエスト受けるってんだよ……」
「私たちにも私たちなりの理由があって、お金が必要なの」
「そうかよ……一体全体どんな大層な理由だってんだ……」
「竜を買い取るんだよぉ~?」
「はんッ、竜を買い取る……ァ? 竜を買い取る……?」
「そうだよ? 竜を買い取るの」
レイジが絶句し、言葉を発しない。
「じゃあ早速準備して行こうかぁ~」
私とキョウちゃんはアカデミーから出て、必要になりそうな道具を買い揃えに行く。
レイジも慌てて、ついてくる。
「まったく……とんでもねェヤツらに目をつけちまったなァ……」
後ろでなにか言っているが気にしないことにした、さぁ冒険を始めよう。