お金、そう結局はお金が必要なんだよ。
私たちは闘技場内にある小休憩ができるスペースを陣取り、話し合いをしている。
竜の手綱とやらがどれくらいの価格かを偉い人に聞いてみるとそれはもう今の私たちでさえ届かない金額だった。
「で、ノゾミちゃん~?
その案も提示されたが額が額だけに数年働いても足りないこともわかった。
「えぇ……? ゲームなのに……結局お金なのーーー!?」
「まぁそれがウリのゲームだしねぇ~? なんでも出来るけど、何かやるためにはお金が必要、現実じゃあ普通に生きられない私たちだけど、ここでなら普通の生活もおくれる」
「うぅ……世知辛いよぅ」
嘆いていても仕方ない、お金を稼ぐ方法を考えよう。
「キョウちゃん、オススメのお金稼ぎは?」
「んっとねぇ~、無難に危険な魔物討伐、昨日みたいに競技での記録を作っての収益確保、あとは……自分たちで何か商業? お仕事? 始めちゃう?」
「うーん、最後のは今は却下かなぁ、なんの知識も無い私たちがやっても軌道に乗るまでが時間かかりそうだし……競技の記録もやっぱりやりすぎちゃうと他の人達から反感もかいそうだし……」
「じゃあ、魔物討伐だねぇ~、あ、一応ダンジョン攻略もあるよぉ~?」
ダンジョン攻略かぁ……2人だけでいけるものなのかな?何よりこの世界はファンタジーをうたってはいるけど魔法や魔術は無い、つまり傷ついた場合便利な回復する術も無い。
「私たちってさ、自称魔法少女……になれるけどさ? 結局あの力も"魔法"ではないんだよね?」
私の問いかけに対してキョウちゃんは真面目な顔つきになる。
「うん……そうだよ、あれは魔法じゃない、でも便宜上魔法少女って名乗る方が色々と不都合もないかな? 今後の事もあるし、宿取りに行って1回お話……しよっか?」