脱・初心者装備の武器は終わった、次は防具……防具と言っても性能は気にしない、冒険しやすく、かつかわいい服。
「どんな服にしっよかな~」
キョウちゃんは鼻歌混じりで防具……というより、もはや服を選んでいた。
「ノゾミちゃんが武器を選んでくれたから、服は私が考えるね~」
と楽しそうに選んでいる。
確かに目が見えていなかった私が選ぶより、キョウちゃんに選んでもだった方が良いのかもしれない。
「ねぇねぇ、ノゾミちゃん~! これなんてどうかなっ!」
やけに自信満々の声で私に声をかける。
「……却下」
「えぇっ!? なんでぇ~? 可愛いじゃん~!!」
「なんでそんな服を選ぶの!? さすがの私でもそれを普段着に選ぶっていう選択肢がないことはわかってるから!!」
そう、キョウちゃんが選んだ服は……バニーさんの服だった。
あれ?もしかして選んでもらうのは危険なのでは?とおもいだした時、既に次の服……あれは服!?を手に持っていた。
「キョウちゃん!! それは水着!! 普段着じゃないからだめ!!」
「えぇ~? 可愛いのに~……」
唇を尖らせ、あからさまに拗ねるキョウちゃん。
「まったくもう……私も一緒に見るから、ね?」
「うん~!!」
……全然わかんない!! 一緒に見るって行ったけど、全然わかんない!!
「キョウちゃん、背に腹はかえられぬ、ここはNPCでもいい、店員さんに聞こう」
「そ、そうしよう~……」
私たちはどうやら壊滅的に服へのセンスがないことがわかった。
私たちのやり取りを冷ややかな目で見ていた店員さんに思い切って声をかける。
「す、すみませんー、えっと……こ、この武器に合う衣装ってあり……ます?」
そう声をかけるも店員さんは変わらず冷ややかな目でこちらを見る。
「あ、あのー?」
再度声をかけると黙ったままスっとお店の奥側の方へ指を向けられた。
「あっちにシスター風のふくがある、それでいいんじゃないか?」
と、素っ気なく返事が来た。
「あ、ありがとうございます! キョウちゃん行ってみよう!」
私たちは指さされたお店の奥の方へ向かい、それらしき服を探す。