扉を開けたその先は外観よりも思っていた以上に広く、それでも人はあふれかえっていた。
「ふぁー、中もいっぱい人がいるんだねー!」
「まぁ、まだ始まって間もないからねぇ~、ここには私たちみたいな初心者とNPC……冒険をする場合のお手伝いさんもいれば、ただ話をするだけのNPCもいるから、余計に多く感じるんだろうねぇ~」
なるほど?冒険をする時ソロだと不安な人はNPCを選んで一緒にモンスターの討伐にも行けるってことかぁ。
「まぁ、この世界には冒険者以外でも生計はたてられるけど、やっぱり1番手っ取り早く、非現実を味わいたいのなら冒険者が1番ってこともあるねぇ~」
キョウちゃんと話しながら何ヶ所かあるうちの1つの受付前に立つ。
「素材の買取をお願いしま~す!」
……何故かキョウちゃんは高らかに声を上げた。