薄れゆく意識の中ありえないことだけど、現実世界でベットに横たわっている私が見えた。
そしてその私を介抱してくれている人も見えた。
「……お母さん?」
初めて見る姿だったが雰囲気、表情、仕草……それだけでわかった。
なによりも前までと変わらずお母さんの趣味である創作……物語をベッドの横で語り聞かせてくれている。
「お母さん、ありがとう、私何とかあっちでもやっていくよ」
例え、幻でも一目見れて良かった……
――――――
「……だから痛いってば!!」
そう言って私はビリビリを払い除けた。
「えぇ……? 払い除けるのはちょっと想定外だなぁ」
目の前の人っぽい者が呟く。
「貴方……この世界で何をやりたい? これは抽象的な質問じゃないからね~? ぶっちゃけると何をしてお金を稼ぎたい?」
お金を……稼ぐ?ゲームなのに?
「あ~……何も知らないでゲーム始めちゃったんだったね、一応ね? ゲーム内でも飲み食いは勿論寝る所にもお金は必要、それ以外にも服はもちろんプレイスタイルによってはそれ以外にも色々と必要になるよ? まぁ一応必要最低限の資金と物資は用意するけどね?」
さっきは勢いで生き残るって見栄を切ったけど、具体的に何をするかというと難しい。