初めて見る血の色に少し戸惑いとそして痛みも感じていたが、どちらも新鮮な物で感動すら覚えていた。
5分程その状況を見ていたが、木々に覆われた場所だったが、気がつけば景色が霧に包まれ、何か得体の知れない空気を纏った"ナニか"がすぐ前にいた。
だがどそれは霧で姿ははっきりと見えず、しかし視線だけは感じられた。
「お主は何をしにこの世界へやってきた」
唐突に目の前の"ナニか"に問われた。
……何をしに? なんだろう? 私は何を求めてここへ来たんだっけ?
「もう一度聞こう、何をしこの世界へやってきた」
考えが纏まらないうちに口が自然と言葉を発する。
今までの生き方を変える為に、生まれた意味を見つける為に、私が私である為に。