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神託ダンジョン ~いじめられっ子の無双配信ライフ~
月亭脱兎
現代ファンタジー現代ダンジョン
2024年10月24日
公開日
3万字
連載中
佐藤カイは高校で孤立し、いじめられっ子として毎日を過ごしていた。
ある日、いじめグループに命じられ「開かずの部室」と呼ばれる不気味な部屋に配信を強制されて入ることになる。
そこで突如現れた異空間のダンジョンに吸い込まれ、カイは一万二千年もの間、神になるための過酷な修行を強いられることに……
……その修行を終え神に等しい力を得たカイは『記憶を封じられて』帰還するが現実世界では数秒しか経っておらず、再びいじめのターゲットに。
しかしここから、底辺弱者だったカイの逆転・無双配信ライフが始まる。

プロローグ

 ——気がつくと、カイは見知らぬ場所に立っていた。周りには異様な光景が広がっている。


 まるで神話か中世の時代のようだ。壁には不自然な光が漂い、地面は石畳が広がっている。目の前には巨大な扉がそびえ立っていた。


「ここ、どこだよ……まさか、ダンジョン?」


 カイが戸惑いながら呟いたその時、頭の中に突然声が響いた。


『選ばれし者よ、ここは神の修練場である』


「えっ、だ、誰だ!?」


 周りを見回すが、誰もいない。ただ、声だけがどこからか聞こえてくる。


『君には神になるための試練を与える。この試練に耐え、力を得よ』


「神?試練?……な、何言ってんだ!?」


 カイは理解できず、ただ叫んだ。しかし、声は容赦なく続ける。


『さあ、始めるぞ』


 すると巨大な扉が音を立てて開いた。ダンジョンだと思っていたカイの目の前には広大なフィールドが広がっている。

 空には見たこともない生物が飛び交い、地面には奇妙な植物が点在している。カイは恐怖で動けなくなっていた。


「こんなこと、信じられない……!こんな場所でボクなんかが生き残れるわけないよ!」


 ——こうして、ただの高校生、しかもいじめられっ子のボクが『神の資格』を得るための修行が、途方も無い試練が始まろうとしていた。


 思い出せばあの時、あの部室に入らなければ、こんな事にはならなかったのに。


 あれは、今から数分前の出来事だった。





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