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第三の日

雲が流れ、水が波打ち、時の流れに合わせて変わりゆく世界。朝と昼と夜が巡り、再び新しい朝が訪れた。


今度は、光に照らされ、少女は確かに目覚めた。

夢の中で何かに語りかけられていた気がする…

(あれは確か……だめだ。くそっ。思い出せない。何かすごく大事なことだった。)

しかし、その内容は霧のように曖昧で、記憶の片隅に消え去っていた。


そうしてまだ頭がぼんやり靄に覆われている中、それを晴らすかのように、再びあの声が響いた。


「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」

その言葉に従うように、世界はまた変化した。


目の前には、乾いた大地が広がり始めた。それは少女の知る地面とは違った。石畳もなく、道もない。

ただ土と石塊が散らばる荒々しい大地であったが、それでも彼女にとっては、どこか見覚えのあるものだった。

(地面じゃないか…。声に合わせて世界がどんどん形作られていくのか…?)


そして、水は一つに集まり、それは彼女の見たこともないほど途方もなく大きな水溜まり――

いや、盗人の濡れ衣を着せられて、逃げ込んだ森の先で見たあの大きな湖のように広がっていた。


世界は、絶えず変化に満ちていた。


しかし、その変化はこれで終わりではなかった。




少女は、目の前で次々と変化していく世界のその姿に息を呑んだ。


その移ろいは、あまりに早く、現実離れしていた。だが同時に、どこか彼女の知る世界に近い何かが感じられた。


(本当になんだってんだここは…。)

それは驚愕と気味悪さ、そしてわずかに胸の奥に響く高鳴りが入り混じった感覚だった。


その時、再びあの声が響き渡った。どこまでも届くような、深く静かな声。


「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。」



その言葉に応じるように、荒れた大地から緑の芽が次々と顔を出し始めた。

それは、少女の知らぬような植物たちだったが、どこか生命の力強さを感じさせる青々とした草木であった。


それから、様々な形の種を抱えた草や、色とりどりの実をつける木々が、次々と芽吹き、勢いよく成長していく。

わずかな瞬間のうちに、その光景は草原となり、森が広がり、自然の息吹がこの地を覆い尽くした。


こうして第三の日が訪れた。


世界はあまりにもーーー





あまりにも色彩に満ちていた。

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