美しく移ろう光と闇の対比。
少女はその場に立ち尽くしていた――立っているのか、はたまたただ存在しているだけなのかは定かではなかったが…。
ただ、呼吸を忘れたかのように、何の思考も浮かばぬまま、瞳に映るすべてを見逃すまいとするかのように、その光景に没頭していた。
しかし、やがて夜が訪れ、世界が再び闇へと戻った頃、少女はようやく思考を取り戻す。
「私は死んだのか?」思わず声に出る。
口に出して、ぞわりとした。咄嗟に両腕を抱えるようにして身を縮めた。
彼女の頭の中には、死後について聞いた話が思い浮かんだ。
死んだ者はクソッタレな神のもとへ行くのか、それともただ土に還るのか。
前者は、孤児を集めて人身売買をしていた神父まがいの老人から聞かされたものであり、後者は、ただ少女にぶつかったというだけで数え切れぬ傷を負わせた名も知らぬ男から聞いたものだ。
それらの記憶は世界や神への恨みと共に、彼女の脳裏に深く刻まれていたが、今はその蓋が開かれることはなかった。
すべてを塗り潰すように、消し去るように、先ほどの光景が網膜に焼き付いていつまでも、いつまでも離れなかったのだ。
そうして第一の日の、終わりを迎えた。