「光あれ」―――
その時、暗澹たる闇を裂くように、一筋の光が差し込んだ。
今の声は一体……?という当然の疑問を消し去るほどの、思わず目を細めずにはいられないほどの眩さが、すべてを照らし出す。
目の前に差し込む光は、今までのすべての感覚をかき消すような、あまりにも強烈なものだった。
少女は思わず目を閉じ、目の奥に焼き付く残像にしがみつく。眩しすぎて、痛みすら感じるほどだ。
(ここはどこだ?さっきの声は誰だ?本当にどうなってしまったんだ…)
頭の中で疑問がぐるぐると渦を巻くが、答えはどこにもない。何が起きているのか分からない。そもそも生きているのか、死んでいるのかさえも。
一瞬前まで感じていた、掃き溜めのような場所の妙に甘ったるく腐敗したような湿った匂いや冷たい空気は、もうどこにもない。
それどころか、今は空気が清浄で、肌に触れる温もりすら感じる。先ほどまでの世界とはまるで別の場所にいるかのようだ。
少女は恐る恐る目を開ける。彼女の視界には、彼方まで続く深い闇と、その闇を貫くかのように降り注ぐ光が広がっていた。
(一体なんだっていうんだ!!)
少女の胸の中に恐怖が広がる。急激な変化に身体が、心が追いつかない。
しかし、次第に彼女の心の中に別の感情が芽生え始める。それは感嘆――。
闇と光。冷たい闇が引き裂かれ、その裂け目から溢れ出した光が世界を覆い始める。二つの対比が、目の前に新たな秩序を刻み込んでいく。
こうして、光が現れた。
光と闇は世界を満たした。
光は少女の知るところの昼であり、闇は夜であった。
夕べがあり、朝があった。
瞬く間にその移り変わりが繰り返され、今いる場所はもう、彼女が知っているあの薄暗い路地裏ではない。どこか遠い、まるで神話の世界のような場所だと思わされた。
それが、第一の日である。
闇に慣れた少女の目にそれはあまりにも
あまりにも美しかった。