99. Story.8 ~【年下彼女】~④
【小説:年下彼女】
まさかあたしがあなたに恋に落ちるなんてあの時のあたしが聞いたらビックリして、そして信じられないって言うんだろうな。
でもね、これが本当の恋なんだよね? だって、あなたのこと考えるだけで胸の奥がキュンと鳴って、身体中から力が抜けちゃうんだもん。だからさ、お願いがあるの。この気持ちを消さないで欲しいんだ。ずっとずっとあたしの中に残して欲しいの。
そんなことを思ってたらさ、ふと気付いたんだ。あぁ、あたしも恋をしてたんだなって。その相手は誰なのか……すぐに分かったよ。そっか、そうか、そういうことだったのか……。やっと自分の本当の気持ちに気付いたんだよ。
初めはすごい強引だった。女の子のあなたが私に付き合ってって言って無理矢理さ。でもあたしはそれを求めていたのかもしれない。いつも自分勝手でワガママなあなただけど、今じゃあなたなしの生活なんて考えられない。あなたのことが大好き。愛しているわ。ずっと一緒にいてあたしの年下彼女さん。
-小説実演-
あたしと結愛先パイは寝室にいる。結愛先パイはあのあと、もう一度お風呂に入った。少しやりすぎちゃったかも……。本当に結愛先パイ怒ってないかな……。どうしよう。不安になってくる。結愛先パイがベッドの上に座ってスマホをいじっている。あたしはその横にちょこんと腰掛けた。
「あの……結愛先パイ?」
「なに?強姦魔さん?」
「うっ……ごめんなさい。」
結愛先パイはちょっと不機嫌だ。そりゃそうだよね。あんなにヤりまくっちゃったんだもん。怒られても仕方がないと思う。あたしが落ち込んでいると、結愛先パイはクスッと笑みを浮かべてこう言った。
「冗談よ。まだお腹の辺りが変な感じするけど、許してあげる。でも、今度はちゃんと言ってくれないとダメよ?いきなり襲われても困るわ?」
「はい!分かりました!」
よかった~。安心したよぉ。結愛先パイは優しいなぁ。好き。
「えへへ、結愛先パイ。好きです。」
「うん、知ってるわ。私も大好きだもの。」
やっぱり結愛先パイは大人だなぁ。こんなにもあたしのこと理解してくれている人他にいないんじゃないかな。嬉しい。
「ねぇ、結愛先パイ。ぎゅっと抱きしめてくれませんか?」
「あら、甘えん坊さんね。いいわよ。おいで?」
やったー!結愛先パイの腕の中に包まれてるぅ!幸せだよぉ。このまま寝たいくらい。結愛先パイの匂いに包まれると心まで安らいでいく気がする。
結愛先パイは優しく頭を撫でてくれた。もう最高だよぉ。こんな幸せな時間過ごせるなんて夢みたい。もっと甘えたいなぁ。
あたしは顔を上げて結愛先パイの顔を見つめた。結愛先パイはキョトンとしている。
「あっあの……聞いてもいいですか?」
「なにかしら?」
「あたし……その結愛先パイのこと満足させられてますか?なんか心配で」
「私はあなたのことが好きなの。それだけで十分よ。それに、あなたが頑張ってくれる姿を見るのが私の楽しみでもあるの。だからそんなこと気にしないの。分かった?」
結愛先パイはそう言ってまたギュッと抱きしめてくれた。そしてキスしてくれた。すごく嬉しかった。
「もう寝るわよ。電気消すわね?」
「はい。おやすみなさい」
良かった。結愛先パイも怒ってなかったし。これからも結愛先パイの彼女として色々頑張らないと。
「そうだ。凛花。」
「何ですか結愛先パイ?」
「私も聞いてなかったわ……あなたの誕生日。私もいきなり言われるのは困るから教えて。」
「あっそうでしたね。あたしは3月4日です。」
すると、結愛先パイは少し考え込んでから口を開いた。なんだろう。少し不安になっていると、結愛先パイはクスッと笑ってあたしの頬をつねってきた。
「あなたの誕生日には私がされたことしてあげるから?覚悟しておいてね?」
「はい……」
結愛先パイの笑顔が怖い……。でも、なんだか楽しそうな表情をしている。まぁいいか。
「じゃあ、おやすみ。凛花。」
「お休みなさい。結愛先パイ。」
あたしは結局結愛先パイの布団で抱き合ったまま眠りについた。明日も明後日もその次の日もずっとずっと結愛先パイと一緒にいたいなぁ。
大好き。結愛先パイ。あたしとずっと一緒にいてくださいね。