95. 初めての旅行(後編)
結愛先パイの誕生日祝いも兼ねた温泉旅行。あたしは無事に祝うことができた。本当に良かった。そして夜、仲居さんが布団を敷いてくれた2つ並んだ布団に、思わず顔が熱くなる。
「凛花。顔赤いわよ?またのぼせたの?」
「そっ!そんなことないです!」
「そうかしら……まあいいけど」
いや良くないですよ!何で結愛先パイはこんなに冷静なんですかね!?あーもう!なんか今日はドキドキしてばっかりだ……。
「あの…結愛先パイ?」
「何かしら?」
「プレゼント。何がいいですか?すぐは用意できないですけど、やっぱりあげたいなって思って。」
「そうね……」
結愛先パイは少し考えたあとにあたしに言う。いつもの悪い顔だ……嫌な予感しかしない……。
「本当に何でもいいの?それならリボンでグルグルになって『結愛先パイあたしをプレゼント』っての言うのはどうかしら?」
「ダメです!恥ずかしい!」
「あら。残念。あなたから貰えるものなら何でも嬉しいわ。でもそうね……もし貰えるのなら……」
結愛先パイはそこで言葉を止めた。そしてその続きを言う前に、あたしの手を握ってきた。
「ゆっ、結愛先パイ!?」
「来年の私の誕生日も一緒にいたいわね。」
「……はい。」
あたしは本当に結愛先パイに弱いみたいだ。この人の笑顔を見ただけで心が満たされる。
「さて。もう寝ようかしら。凛花電気消すわよ?」
「はい。お休みなさい結愛先パイ」
あたしと結愛先パイは布団の中で眠りにつく。同じ部屋なのに別々の布団なのは寂しいけど、こうやって手を繋ぐだけでも幸せな気持ちになる。きっとこれからも同じ日々を過ごしていけるだろう。そんな確信があった。
しばらく時間がたっただろうか……。全然眠れない……。結愛先パイの誕生日だし、一応少しは覚悟してきたつもりだったんだけど……。結愛先パイは疲れているのか寝ている。はぁ……このままじゃ眠れない。温泉に入ろうかな。その時結愛先パイに声をかけられる。
「凛花。眠れないのかしら?」
「あっ起こしちゃいましたか?ごめんなさい。」
「そりゃ……もぞもぞしてたら起きるわよ……。」
そう言って結愛先パイは起き上がる。そしてあたしを抱き締めてきた。えぇ!?ちょっ!ちょっと待ってください!!心臓がバクバクする……。結愛先パイの胸の鼓動を感じる……。
「ねぇ凛花……もしかして私としたかったの?こんなにドキドキしてるけど?」
「えっ!?そんなこと……」
結愛先パイはそのままあたしの下着を下にずらし直接触れてくる。
「嘘つきね凛花?ほら。もうこんなになってるじゃない。音がすごいわよ?」
「んぅ……あぅ……」
結愛先パイの指使いはとても優しくて、それが逆にすごく興奮してしまう。どうしよう……。頭がふわふわしてきて何も考えられない……。すると結愛先パイは急に手を離す。
「やぁ……結愛先パイ……なんで止めるんですか……」
「今日は私の誕生日でしょ?自分だけ気持ち良くなるのはずるいわよ凛花?」
結愛先パイが意地悪な笑みを浮かべながらそう言ってくる。ズルいのはどっちですか……。もう我慢出来ない……。
「凛花。起き上がって私を抱きしめて?一緒に気持ち良くなりましょう?」
あたしはそのまま結愛先パイを抱きしめる……気付けばあたしと結愛先パイのが混じってイヤらしい匂いがする。シーツはすでにお互いの体液でドロドロになっていた。でもまだ足りない。もっと欲しい……。
「ねぇ結愛先パイ……。キスしてください……」
「欲しがりね……凛花は。」
そしてキスをしたままあたしと結愛先パイは……。
☆★☆★☆★
しばらくして息を整えると、結愛先パイはあたしの顔を見て言う。
「私の誕生日なんだけど?あなたはいつも私が何かある時にするわよね?」
「すいません……」
「まあ許してあげるわ。凛花可愛かったからね。」
「うぅ……恥ずかしい……」
そう言いながらもあたしは結愛先パイに抱きついたまま離れなかった。結愛先パイもそれを分かっていて頭を撫でてくれた。幸せすぎる……。その後は2人で温泉に入り体を洗ってまた布団に入る。
「凛花。今日はもうしないわよ?」
「わかってますよ!でも……おやすみのキスしてください。あとそっちの布団で一緒に寝ます。こっちは濡れてるので」
「ふふっ。素直な凛花は好きよ。」
そして結愛先パイはあたしにおやすみのキスをする。最高の誕生日になったかはわからないけど結愛先パイが喜んでくれて良かった。こうしてあたしと結愛先パイの初旅行は終わるのでした。