41. 夏休みが始まる
無事終業式が終わりついに夏休みが始まる!あぁ1ヶ月近く休めるなんて最高だよね。結愛先パイとも一緒にいれるし!まぁ……夏休みの宿題はあるけどさ……。夏休み何しようかな?結愛先パイは何したいのかな?たまには一緒に出かけるのもいいよね!
あっ。そう言えばサキちゃんと春菜ちゃんと衣吹ちゃんと海に行く話しになってたんだ。結愛先パイも誘っておいてって言われてたっけ?そんなことを考えながらあたしは小説演劇同好会の部室に向かう事にする。
早速結愛先パイを誘うことにする。水着とかを買いに行くのもいいな。
「ごめんなさい。私は行けないわ」
「え!?海に行けない!?」
「ええ。その日は実家に帰っていると思うわ。というか明日からこの日までは実家に帰ることになっているの。」
「明日!?急すぎますよ!あたし楽しみにしてたのに!」
本当にショックだよ。せっかく結愛先パイと遊べると思ったのに。でも、仕方ないよね。だって結愛先パイの家はお金持ちだしね。あたしと違って忙しいんだよきっと。
ん?あれ?実家に帰る?今の家は?あたしは首をかしげる。そして結愛先パイに聞いてみる。
「えっと今の家は?実家じゃないんですか?」
「あそこはこのあたりで用事がある時に使う家なのよ。実家はまた別の場所にあるの。私はこの花咲学園に通うのにちょうどいいから住んでいるだけよ。」
「そうなんですか……」
またしばらく会えないのか……。あたしは落ち込む。すると結愛先パイが口を開く。
「そういう反応されると困るのだけど……8月半ばには戻ってくるわよ。それまでに宿題をおわらせておきなさい。いっぱい一緒にいてあげるから。」
「……約束ですよ?戻ってきたら泊まりに行ってもいいですか?」
「はいはい。分かったわよ。」
やったー!!これで結愛先パイと一緒に居られる!それなら戻ってきたら、ずっとお泊まりしようかな?迷惑かな?とりあえず春菜ちゃんにメッセージを送っておこう。
「家庭の事情で海には結愛先パイはこれないみたいっと。送信完了。」
「ん?……そう言えば……あ。」
「どうかしましたか結愛先パイ?」
結愛先パイは立ち上がりあたしをじっと見つめてくる。どうしたんだろう?何か顔についているのかな?
「あなた……私がいないからって浮気したら許さないわよ?特に水瀬衣吹と。」
「しっしませんよ!なんであたしが……」
「あなた押しに弱すぎるし。すごく敏感だし?イヤらしい声は上げるし。それから……」
「ちょっと!ほとんど関係ないじゃないですか!押しに弱すぎる以外は結愛先パイも当てはまりますよ!」
むぅ。失礼だなぁ。確かに衣吹ちゃんとはキスしちゃったけどさ……。
「もし、浮気したらこの前のじゃすまないわよ?分かった?」
「分かってますよ。もう……。」
あの時を思い出して恥ずかしくなる。あんなになるまでは2度としたくないよ。でも、結愛先パイにされるなら嫌ではなかったかも。むしろ心地よくて気持ちよかった気がする。それにもっとして欲しいって思っちゃったし。思い出して少しドキドキしてしまう。
「ふふっ。顔真っ赤よ。可愛いわね。もしかして本当にしてほしいとか?」
「ちっ違いますよ!とにかく浮気なんてしないですから!」
そんなことを思っているといきなり結愛先パイが抱きしめてきた。しかも結構強い力で。痛くはないけど少し苦しいかも。それになんか結愛先パイの匂いに包まれている感じがしてちょっとドキドキする。
「ちょ……結愛先パイ誰か来たらどうするんですか!?こんなところで……?」
「少しこうさせて。私だって寂しいのよ凛花?」
結愛先パイの声がいつもより優しい声でさらにドキドキしてくる。でも、こういう風に甘えてくれるのは嬉しい。普段の結愛先パイはしっかりしているし意地悪だし。だから、あたしもぎゅっと抱き締め返す。
「はい。あたしも寂しいですよ。結愛先パイがいなくて。」
「ありがとう。もう少しこのままでいたいわ。」
あたしたちはしばらくそのままでいた。あたしにとっては幸せだった。そして、この時間が長く続けばいいなって思った。
さぁ。夏休みが始まる。