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39. Story.4 ~【あなたへの詩】~③

39. Story.4 ~【あなたへの詩】~③




 夏休み前最後の週末。あたしは今日も結愛先パイの家で小説演劇同好会の活動中だ。と言っても特に何かをしているわけじゃない。ある意味一緒にいるだけだ。


 今さらだけど、あたしの親は放任主義だ。毎週のようにあたしが泊まりに行っても何も言わない。少しくらいは娘の心配くらいしてくれてもいいのに。そんなことを考えながら、あたしはソファーで横になりながらスマホをいじっていた。結愛先パイの部屋にあるソファーは大きくてふかふかなので気持ちいいのだ。


「あのさ凛花。あなた私のこと誘っているのかしら?水色のパンツが見えてるわよ?」


「えっ!嘘!」


 慌てて飛び起きてスカートを押さえるけどもう遅い。結愛先パイは呆れて言う。


「やっぱりね。凛花のことだからどうせ私に見せつけるためにわざとやったんでしょ?イヤらしい誘いかたね?」


「ち、違いますってば。今のは本当にたまたま……」


「まあでも、凛花はそういうところが可愛いんだけれどね?」


 そう言って結愛先パイはクスッと笑う。その笑顔を見ると胸がきゅんとなる。結愛先パイはいつもそうだ。普段は意地悪するくせに時々見せる優しい笑顔にあたしはドキッとする。本当に小悪魔だよ、結愛先パイは。あたしは気になることを聞いてみる。


「結愛先パイはあたしと一緒にいて楽しいですか?その……小説を演じてなくても……?」


「ええ。凛花は私と一緒にいるの楽しくないのかしら?私は楽しいわよ。」


「そっか……。ならよかったです」


 嬉しいような恥ずかしいような気分になって顔を背ける。そして再びソファーに寝転ぶ。


「変な凛花。」


 結愛先パイがそう呟いた直後、テーブルに置いてあった結愛先パイのスマートフォンが鳴る。結愛先パイはそれを手に取ると画面を見て怪訝そうな顔をする。誰からの電話なんだろう?すごく気になる。部屋に結愛先パイの着信音がなりっぱなしになっている。


「あの……電話でなくていいんですか?」


「出たくないの。」


「え?誰からなんですか?」


「……親」


 結愛先パイは両親と仲良くないのかな?あまりプライベートなことは聞かないようにしておかないと。しばらくしたら結愛先パイのスマホは静かになる。


「ごめんなさいね凛花。ちょっとお手洗いに行ってくるわね」


 そう言って結愛先パイは部屋を出ていった。なんだか元気がないみたいだったけど大丈夫かなぁ。やっぱり心配になってトイレの前まで行くとちょうど中から結愛先パイが出てくる。


「ん?凛花。」


「いや……なんか心配になっちゃって……。」


「ふーん。この前の勉強会の時の私みたいに襲いに来たのかと思ったわ。まぁ心配してくれてありがとう。凛花のそういうところ好きよ。」


 そう言えばそんなこともあったなぁ。その時のことを思い出して思わず顔が赤くなる。リビングに戻ると結愛先パイはまた本を読み始める。さっきの結愛先パイの好きって……どういう好きなのかな。そんなことを考えると凄く不安になってくる。


 ダメだ……。あたし多分、今【あなたへの詩】の赤崎美玲になっている。そんなやんわりした言葉じゃ嫌。もっと結愛先パイの気持ちが欲しい!


「結愛先パイ……あたしの事好きですか?」


「何突然?もちろん好きよ。」


「どこがですか?」


「え?どこって、そりゃ全部だけど……」


 あたしは結愛先パイの言葉を聞き終わる前に強引に腕を引っ張りそのまま結愛先パイをソファーに押し倒す。そんな言葉じゃ嫌だ。不安になる。もうこの気持ちは止められない……。


「凛花!?ちょっといきなり何!?」


 抵抗する結愛先パイの腕を掴み押さえつけながら耳元で言う。


「ねえ結愛先パイ?本当にあたしの事好きですか?正直に答えてください。」


「ちょっ……本当に何を言っているのよ凛花。好きって言ってるじゃない……。」


「そうですか……ならあたしに何されても文句はありませんよね?結愛先パイ?」


 そう言ってあたしは結愛先パイの首筋に舌を這わせる。もう我慢できない。いつもあたしがされてる。だから今日はあたしがしてあげるんだ。あたしは結愛先パイが好きだから!


「り、凛花……本当にどうしたの?」


「結愛先パイが悪いんですよ。いつもあたしばっかり。だからたまにはいいですよね?」


 そう言って今度は結愛先パイの耳に息を吹きかける。すると結愛先パイはピクッと体を震わせて声をあげる。ああ、結愛先パイ可愛いなぁ。あたしは服の中に手をいれて身体に触れる。結愛先パイは我慢出来なくなったのか声が漏れ始める。


「んっ……凛花……だめ……あっ!」


「あれれ?結愛先パイったら感じてるんですか?いつもあたしのこといじめてるくせにこんなことで感じるなんて可愛いですね?」


「凛花…ちょっと待って…お願い」


「ダメですよ?いつもあたしのお願いを聞いてくれないじゃないですか?」


 そう言って結愛先パイの身体に触れる。その瞬間、結愛先パイの体がビクッと震えた。


「あぁ……そこは……んっ!」


「ここ弱いんですね?結愛先パイ。それともあたしに触られて嬉しいんですか?」


「そんなこと言わないで……んぅ……」


 うわぁ……。結愛先パイの声めっちゃエロい。あたし興奮してきたかも……。あたしはそのまま結愛先パイの下半身に手を伸ばすとパンツ越しに触れただけでわかるくらい濡れていた。本当に結愛先パイは可愛いな。いっぱい可愛がってあげなきゃ。

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