「おや、
と、ちょっと驚いた様子で言いつつ、トアリは俺の隣に座った。
「まさか
「分かってますよ~。にしてもメイド姿似合ってますね岩田先生」
あ、岩田先生の前では俺の分身体じゃなくて鞘師トアリになるのね。
「ふふ、ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
岩田先生はニッコリと微笑む。
「んなことよりトアリ。何だよその色は?」
「ああこれ? ゴールデンウィークにちなんで金色になってみたのです」
なってみたのですって何? そんな気軽になれるものなの?
「どうですか城ヶ崎くん? 似合ってるでしょ?」
「そーだね、似合ってるね。でも出来るだけ早く普通の色に戻してくんない? 眩しいんだけど。店の照明反射しまくって目がチカチカするんだけど。直視出来ないんだけど」
「あっ、すみません~。私ってば直視できないくらい煌めいた美少女でしたね」
いや今のオマエは物理的に眩しいだけ。まあ確かに中身はそれくらい可愛いけども。
「二人とも相変わらずねえ」岩田先生は笑って、「ところで鞘師さんも、
「ええ。早乙女
「城ヶ崎くんにも言ったけど、無いのよねえ……」
ここで、俺はピンと来た。
(……待てよ……)
さっきまで失念してたけど……メガネくんの下の名前って『勇気』だったな……。
勇気……ゆうき……ゆう……。
……………………。
ああああああああああああああああああああああああああああああ!
分かった分かった!
点と点が繋がったあああああああああああああああああああああああああ!
「……岩田先生? ちょっと良いですか?」
俺は静かに口を開いた。
「あら、どうしたの城ヶ崎くん?」
「新人って……『ユウポン』ですよね?」
「ええ、そうよ」
「そのユウポンのお陰で、先生は眼鏡をかけられるようになったんですよね?」
「ええ、そうね」
「……一応ですけど……。そのユウポンの特徴とか聞いても良いですか?」
うーん、と岩田先生は唸ってから、
「人の魂を宿した、牛乳瓶の底のように分厚い眼鏡よ」
それえええええええええええええええええええええええええええええええええ!
それメガネくん!
早乙女くん!
あなたの生徒の早乙女勇気くんの魂!
「それですそれです! それメガネくんの魂! ユウポンも勇気って名前から来てますよね!」
「ああ~……。見覚えがあったとは思ってたけど、言われてみればそうかもね」
何で今まで気づかなかったんですか?
「それ取り戻すために来たんですよ! 持ってきてもらっても良いですか?」
「構わないけど、追加料金発生するわよ?」
生徒の魂なのに?
「眼鏡をかけるのもオプションだからね。キッチリ払ってもらわないと」
マジかよ。俺あんま持ってきてないんだけど。
「い、いくらぐらいですか?」
「百円(税込み)よ」
安うううううううううううううううう。なんでユウポン自動販売機のジュースより安いの? まあいいかそんなことは。
「わ、分かりました! 払いますので持ってきてください!」
「しょうがないわねえ」
岩田先生は奥の部屋に行った。
長かった……。
これでようやくメガネくんの魂を取り戻せる。