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第94話 千手観音VS邪霊


 ん? また誰かからメッセージが……。


千手観音(激怒)『今度は我が相手だ』


 またあああああああああああああああああああああああああああああ?


 千手観音(激怒)が出てきたんだけど。怒りの程度が目に見えるんだけど。


 千本の手でメッセージ打ち込んできたんだけど。

 つーか何でボスラッシュ的な流れになってんの?


 え、これ千手観音ブロックしたら更に高位なモノが来るってこと?

 ヤベーよ試したくなってる自分が居るんだけど。

 辞めといた方が良いかな?


千手観音(激怒)『さあ手下たちをブロックした理由を述べよ』


 手下のために怒ってるよ千手観音。メッセージの間隔メッチャ短いんだけど。

 手が千本あるからスマホの打ち込みメッチャ速いのか。


千手観音(激怒)『相応な理由がないのであれば、我が手を下すまでだ(千本の手)』


 ヤバいヤバいヤバい。

 千本の手をスタンバってるって。捕まったら一巻の終わりだって。

 もう高位の奴が来てもいいや、千手観音もブロックしよう――、


千手観音(激怒)『我をブロックしようとしているな?』


 やべっ、ブロック画面に行こうとしてるのバレてる。

 仕方ない、スワイプで千手観音のメッセージを消して――、


千手観音(激怒)『無駄な抵抗をするな(百本の手を拳にしながら)』


 メッセージ送信早ええええええええええええええええええええええ。


 息つく間もなくメッセージ送ってくるんだけどお。

 刹那のメッセージなんだけど。


 そりゃ千本も手があれば一瞬で送れるか。

 つーか百本の手を拳にしながらって何?

 百裂拳の準備でもしてる?

 千本もあるのに百裂なの?


千手観音(激怒)『おい、そろそろだぞ(百裂拳の準備OK)』


 準備OKになってんだけど。早くブロックしなきゃ――


千手観音(激怒)『何とか言ったらどうだ?(そのへんの邪霊をシバきながら)』


 俺のせいでそのへんの邪霊が逝ったああああああああああああ。

 百裂拳放っただろオマエぇ。なんてことしてやがるんだ。


 あ、でも邪霊だから良いのか逝っても。

 その隙にブロック画面に――、


千手観音(激怒)『なにい? ウヌはさきほど倒したはずの邪霊? バカな! 存在しているはずがない!』


 え、さっきの邪霊消えてなかったの? 

 千手観音の百裂拳喰らっといて?


 マジかよ。なんか向こうで高レベルのバトル勃発してるんだけど。

 ちょ、気になる。無駄に気になるんだけど。


千手観音(激怒)『良かろう! では我が最大の奥義、千裂拳を喰らうが良い!』


 いよいよ千本の手を全て拳にしようとしてるうう。

 逃げてぇ、そのへんの邪霊さん。

 あ、そうだ。俺がメッセージ送ったら邪霊助けられるんじゃね?


城『あの~、千手観音さん。ちょっと良いです――』


千手観音(激怒)『今は闘いの最中だ! 礼儀をわきまえよ!』


 返信早あああああああああああああああああああああ!

 俺メッセージ途中までしか書いてないよね。

 しかもまだ送ってすらないよね?


 なんで送ろうとしてる内容まで分かってんだテメーは。

 これが千手観音の能力なの?


 ………………………。


(……え、なんか反応無くなったんだけど……)


 千手観音からのメッセージ来ないんだけど。

 嵐の前の静けさっていうやつ?


 どうなったか気になる。

 結末さえが分かればブロックするから早く報告して。


千手観音(邪霊)『今こそ一つになる時だったのだ』


 乗っ取られてんじゃねえかああああああああああああああああああああ。

『(邪霊)』ってそういうことだよね?

 どんだけ強力な邪霊だよオマエは。


千手観音(邪霊)『今だ少年。ブロックするのだ』


 え、俺に協力するために乗っ取ったの?

 スゲーなそのへんの邪霊。メッチャ良い奴じゃん。

 よし、じゃあお言葉に甘えて――、


千手観音(邪霊)『ははははははは早くブロックするのだだだだ。我の中の千手観音が目覚めるううううううううううううううううううう』


 ヤバいヤバいヤバい。内なる千手観音が乗っ取りから抜け出そうとしてる。早くブロックしなきゃ。


城『サンキュ! 今度クレームブリュレ奢るから! またな邪霊さん!』


 そのメッセージを送って、俺は千手観音をブロックした。


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