「ふっふっふっ。オイラも負けてないでやんすよ」
金剛力士像が話題に入ってきた。ホントにコミュ力たけーなコイツは。フツーならこの間に入れず黙っちゃうけど。
「オイラはルックスGの魔王の手下、ルックスDの戦士でやんす」
ルックスDってなに?
「ルックスDとは、『どないやねん』のDでやんす!」
銅像のDじゃないのね。
「なるほど! 金剛力士像が動いてるなんて『どないやねん』のDということじゃな!」
何でこんな理解力高いのこの勇者?
「ルックスAはその辺に居る男のことだから沢山居るが……。ルックスCは居ないのかえ?」
何で勇者そんなん探してんの?
「確かに、あとC、E、Fが居ればGまで揃いますね」
トアリは言った。
……え、もしかしてアルファベット揃えようと協力してる?
『トアリさん! ルックスKならここに居るわよ! 加藤のKよ!』
なんでオマエはここの会話に入ってこれるの? 聞こえないよね絶対。エスパーか?
「
『ちっくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』
うるせえよ。
校内放送で叫ぶんじゃねーよルックスU(うるさい)。
てかアレか、防護服にマイクかなんか仕込んでて加藤の方に俺たちの会話が届いてんのか。
「AからGまで揃えば七人の侍が完成するのじゃ!」
なんで七人の侍を揃えようとしてんの?
「CとEとFなんてなかなか居ないのじゃ!」
「大丈夫ですよ勇者さん」トアリは言った。「うちの魔王がGだけでなく、C、E、Fを担います」
「そ、それは本当かえ?」
勇者の問いに、トアリはギシュリと頷いた。
え、俺にそんな要素あったっけ?
「まず、うちの魔王にはアイドルで『センター』になるほどの素質があります」
俺にそんな素質が……?
「そして『エクレア』を奢ってくれたり」
それ願望じゃね?
「『ファッファッファッ』と笑います」
そんな笑い方した覚えないんだけど。確かに魔王っぽいけども。
「なるほど! それならこれで七人の侍が完成じゃな!」
構成員ほぼ俺だけど大丈夫?
「この七人の侍で魔王を狩りにいくのじゃ!」
その七人の侍の中に魔王(俺)が四人くらい居るだけど。手下のルックスD(金剛力士像)も入ってるんだけど。
「しまったあ! 七人の侍の構成員がほとんど魔王軍じゃ!」
今気づいたんかいぃ。相当ヌケてるな勇者。
「性格が『抜け目がない』の我としたことがあああああああああ!」
性格『抜けてる』の間違いじゃない?
「して、魔王は何処に居るんじゃ?」
そーいえばまだ名乗ってなかったわ。
「あー、一応、俺のことなんだけど……」
俺が言うと、勇者は疑いの眼差しを当ててきた。
「ウヌが魔王じゃとお? そんな素朴な奴が?」
大きなお世話だ。俺だってなりたくてなったワケじゃねえよ。
「で、でも確かにその素朴さがリアルかもしれぬ……! なるほど、ルックスS(素朴)の魔王か」
黙れルックスB(バカ)。