「はあ……」
ため息と共に、俺は通路側の席に座った。窓側の席には、トアリが座っている。
「はあ……」
「ちょっと
トアリの声は笑っていた。今の俺にはツッコム気力は無い。
「はいはい……。ちょっと休ませてくれ……」
新幹線が動き出した。一時間半後、京都に着く。それまでに何とか立て直しておかねば。
(って思ってんだけどな……)
絶対何か起こるだろこれ。新幹線内でとんでもない何かが。
(くそ……ゼッテー起こる……。俺には分かるんだよ……。トアリか
俺はそれを最小限に抑えるため、京都に着くまでの間、警戒心を怠らないよう身構えた。