これは、みなさんがよく知るおとぎ話の続きの物語。
たくさんの物語がありました。それはとってもびっくりするようなもので、かわいそうなこともありましたし、最後は幸せな物語でもありました。
だけど、それだけで彼らや彼女たちのすべてが終わるわけでもありません。物語が終わっても、物語の世界は人知れずひっそりと続いているのです。
物語は人々のためにあるのです。だから物語は、人々の都合のいいかたちで終結します。でもほんとうは、みなさんの知らないところでまだまだ続いてもいるのです。
物語は、けっして終わることがありません。たくさんの人々に語られ、読まれ、愛され、いつしか人々の中で、その人のためだけのものにまで熟成されていくのです。
だから物語は永遠なのです。
だから物語は無限なのです。
これから綴られますは、そんな物語の、ひとつまみ。
きっとみなさんのよく知る、もしかしたら知らない物語の、その後日談。
人の子へ希望を示す『童話の世界』と。
人の子へ絶望を齎す『怪談の世界』の。
それぞれの存在をかけた、大勝負。
こどもがおとなになるために、きっととおる道筋で。
おとながこどもをうらやんで、いつかくやむ旅の跡。
そして、あいまいなあなたが、ほんとうのあなたを見つけるためにここで出会う、とっても不思議で、すっごくかんたんで、ありきたりな夢の一幕。
この中のどこかにあなたはいて、そしてどこかにあなたのよく知る誰かもいるでしょう。
そんなふうに身近で、だけど絶対に違う世界。
とりとめのない夢物語のような、空想と現実のはざまの絵空事。
それではちょっとお耳を拝借。おおきな声では語れない、きれいなだけじゃない内緒のおはなし。
はじまりはじまり。