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第250話 エルフの習慣

―――スコーピオがフォーコン王国のアルコン城下で吸血鬼騎士ヴァンパイア・ナイト達と対峙していた頃


八雲の乗った天翔船黒の皇帝シュヴァルツ・カイザーは、ウルス共和国を飛び立って一路レオパール魔導国へと向かっていた―――


また同じ頃に白雪達、フォック聖法国に残っていた者達も天翔船雪の女王スノー・クイーンに乗り込み、此方はシュヴァルツ皇国のリオン議会領を目指して飛び立っていた。


そして黒の皇帝シュヴァルツ・カイザーの飛行中、船の娯楽室でノワール達と過ごしていた八雲の元に、サジテールとスコーピオから『伝心』による報告がなされていた……


報告はノワールと八雲のふたりに行われて、一通り聞き終わった八雲は、


【スコーピオ……お前はまた、無茶をするなぁ……】


フォーコンの女王レーツェルに招待されたとはいえ、ひとりでアルコン城に乗り込むなんて、と八雲は窘める。


【―――すまない御子。少々あの吸血鬼騎士ヴァンパイア・ナイト達を侮っていたようだ】


吸血鬼騎士ヴァンパイア・ナイト……か。スコーピオに傷をつけたとなると、俺も舐めて掛かるわけにはいかないな】


八雲はスコーピオの話しに出てきたアトス、アラミス、ポルトスの名を胸に刻む。


だが、それよりも問題は―――


【しかしフォーコンの女王様は、どうして俺に興味を?】


レーツェルがシュヴァルツ包囲網構築条約に署名したことですら、八雲に抱いた興味を満たすための手段のように扱っていることに為政者として外れた行為という違和感が拭えない。


【直接話した時に感じたことを言わせてもらえば、レーツェル陛下は何か思惑を持っているように感じた】


【そうだな。俺に興味を持った、っていうだけで国同士の条約を簡単に結んだりはしないだろう】


目線でノワールを見ると、八雲の『伝心』にノワールも頷いていた。


【どちらにしてもフォーコンの監視は遠巻きに見ておくだけで、大掛かりな動きがあったら知らせてくれれば、それでかまわない。その吸血鬼騎士ヴァンパイア・ナイト達には極力近づかないように】


【スコーピオ、了解した】


【―――八雲様、俺とジェーヴァからも報告がある】


次にイロンデル公国に残ったサジテールからの報告に入ると―――


【まずは俺からだが、イロンデルのロンディネ城から第一陣と思われる軍が出兵した】


【もう動いたのか……思ったより早いな】


サジテールの報告に八雲は眉間に少し皺を寄せて顔を顰めた。


【ああ、だが出兵した兵は二千といったところだ。その数で国境を越境してどうこうしようとまではならないだろう。恐らく今後、随時出兵して国境付近で集結すると考えられる】


【国境付近……その集結場所は―――】


【―――それは自分から説明するッス!】


そこで勢いよく割り込んだ声は、ジェーヴァの声だった。


【サジテールの言ったように出兵が段階的に行われるとすれば、先に食料や物資を集積している国境近くの倉庫群に集結すると思われるッス!】


【国民から巻き上げた物資で戦争しようとか頭がどうかしてるぜ……そのせいで物価は絶賛上昇中だっていうのに】


【どうする?八雲様。俺とジェーヴァで、その倉庫を焼き払ってしまおうか?】


サジテールからの提案を聴いて、


【いや、それは駄目だ。此方から先に手を出したって話になって、シュヴァルツに対する進軍を正当化させる根拠にされ兼ねない】


【ではどうする?】


【その進軍状況だと国境に集結するには、まだ日数が掛かるよな?】


八雲の質問にジェーヴァが答える。


【首都アンドリーニアから集積地までは歩兵の足では六日は掛かる距離ッス】


その返事に八雲は、


【それだけ時間があるなら、まだ幾らでも手は打てる。サジテールは引き続いてイロンデルの状況を監視、報告してくれ。スコーピオとジェミオス、ヘミオスもフォーコンで監視をよろしく。それと―――ジェーヴァ】


【―――はいッス!】


【ジェーヴァには別の頼みがある】


【新たな任務ッスか!お任せくださいッス!】


テンションの高いジェーヴァに八雲は―――


【―――ダニエーレ=エンリーチの動向を探ってくれ】


―――今回この条約を持ち掛ける使者として彼方此方に出向いているティーグルの侯爵ダニエーレ。


その居場所と繋がりの調査を指示するのだった―――






―――そうして数時間の空の旅に戻ったノワールと八雲


「なあ、ノワール。フォーコンの女王レーツェルってどんな人物なんだ?」


引き続き船の娯楽室で寛いでいた八雲は、報告を聴き終えたノワールに問い掛けた。


するとソファーの背凭れに凭れ掛かったノワールは、両目を瞑ってからゆっくりと語り出した。


「……フォーコン王国は代々、吸血鬼ヴァンパイア一族が王族として治めてきた。レーツェルも生まれてから四百五十年、女王に就いたのは今から四百年前くらいのことだ。我はオーヴェストにある国で代替わりがあれば、その国の新たな王を検分しに行くのだが、レーツェルはこのフロンテ大陸でも特異な存在と言っていいだろう」


「そりゃあ吸血鬼の女王なんて、特異点以外の何者でもない……」


八雲の感想にノワールはフルフルと首を横に振る。


「いや、魔族が治める国で吸血鬼ヴァンパイアが治める国というのはそれほど珍しい話ではない。現に他の縄張りでも吸血鬼が治める国はある。だが……レーツェルは、吸血鬼らしくない」


「へっ?吸血鬼……らしくない?」


ノワールの言っていることに要領を得ない八雲。


「他の吸血鬼は基本的に自己中心的なエゴイストの塊のような傲慢な者ばかりだ。人族や他の種族よりも―――むしろ魔族の中でも圧倒的な能力を持ち、その地位も確立しているのだから他の者を見下して当たり前だ。吸血鬼ヴァンパイアは漏れなくそうした性格がその身に刻みつけられている……だが、レーツェルは違った」


「そういう性格じゃないってこと?」


「うむ……あいつが治める前までのフォーコンでは王族以外の国民はすべて『家畜』という扱いだったのだ。血を吸うための食糧といった認識だ。だが、レーツェルはそこから真っ当な政を行い、人を人として扱い、同じ魔族達のことを尊重する治世を敷いていきた」


「たしかに……その話しを聴くと真面なことをしているけど吸血鬼としては異質だな」


「ああ、その通りだ。だから我はレーツェルのことを異質な存在として視ていた。あれの考えていることは今までの吸血鬼達とは全く違う。それ故に、何を考えているのか我にも分からん」


「そんな女王様がどうして俺に興味を持った?」


「―――我の夫だからだろ?」


即答するノワールに八雲は「えっ?」と固まってしまったが、案外こっちが深く考えすぎなのか?と益々レーツェルの魂胆が見えなくなり困惑するのだった……






―――それから一休みしようと、八雲は自分の部屋に戻った。


レオパールまではまだ数時間あるため、ベッドで横になって休もうとしていたところで部屋のドアがノックされる―――


「どうぞぉ~」


―――開いていることを声に出して伝えると、開いた扉から入ってくる人影。


それはエルフ独特の白い薄手のワンピースに身を包んだ―――


―――エヴリンだった。


「エヴリン?どうした?何かあったのか?」


自室への珍しい来客に八雲は少し驚いていた。


レオパール魔導国の元三導師のひとりで、ティーグルの冒険者ギルドにて受付兼サポーターをしているエディスの母であり、親子といってもエルフという長命種であるため、その面立ちは姉妹と言っても通るほどに若く、美しい顔に金髪の長い髪を三つ編みに纏めてエディスより大人の色気が漂っている。


そんな美女が笑みを浮かべながら、自分の座っているソファーに近寄ってきたかと思うと、


「少し、いいかしら?/////」


そう言って八雲の隣に座ってきた。


「……何故に隣?」


突然、自分の隣に徐に座ってきた美人エルフに八雲も普段とは違う雰囲気を感じて動揺を隠せない。


「うふふっ♪ そんなに警戒しなくても大丈夫♡ 私は貴方の妻の母親なんだから家族も同然、でしょう?/////」


(いや、嫁の母親はそんな夜のお姉さんみたいな位置に座ったりしない……)


心の中でツッコミを入れる八雲だったが、実際のところエヴリンは美人であり、エディスとは親子だが姉妹と言われても信じるほどに若々しいのだ。


しかもお姉さんタイプであり、その纏っている雰囲気も何とも言えない色気があって八雲も『理性の強化』が働いていなければ、今すぐ押し倒していてもおかしくはない状況だった。


「そんな難しい顔しなくてもいいわ♪ ところで……八雲様はエルフの習慣をどのくらい知っているのかしら?」


「エルフの?……うん、そうだな……長寿……とか?」


「ええ、それも事実ね♪……私達はノワールや今の貴方ほどではないけれど、それでも長い寿命を持っているわ。そして、そんなエルフはね―――妊娠しにくい種族でもあるの」


「へぇ……そう、なんだ……知らなかった」


隣で八雲の太腿に温かい手を置き、ゆっくりと撫でながら耳元に唇を近づけて話し掛けるエヴリンの態度に、八雲は話半分にしか聴いていないし内心それどころではない。


だがエヴリンは構わずに身を寄せながら話しを続ける。


身体を寄せられて、八雲は上から見えるエヴリンの巨乳が作る渓谷に視線は釘付けになった。


「ええ、だから……エルフの女は親子であっても恋人や夫を共有して、子孫を残すことを種族として公認していて親子でひとりの男性を愛することも当たり前の文化を持っているの♡/////」


「えっ!?親子丼?……いや、それじゃあ……」


この世界に来てそれなりに長くなった八雲だが、そんなエルフの話しは初めて耳にしたので本当に驚いていた。


「私の夫、つまりエディスの父親はあの子が小さい時に流行病で逝ってしまったわ……その後、私は三導師の立場になって、あの子との時間も取れないくらい忙しくなってしまって……勿論、再婚するような機会もなかったの」


「ああ、なるほど……ブラックな……無茶な勤務体制はやっぱ家庭にとってはダメだよな」


目が泳ぎながら八雲は元いた世界の激務に勤しむサラリーマンが思い浮かんだ。


「ふふっ♡ そうでしょう?そんなだからエディスとも長い間、確執が出来てしまったけど今は貴方がいてくれて、あの子とも打ち解けることが出来たの♡ それもこれも貴方のおかげよ♡/////」


耳元にエヴリンの温かい吐息が届く距離で囁かれる。


「いや、俺はそんな大したことは―――ッ?!」


そう言い掛けたところでエヴリンの座っている側の腕に、この世のものとは思えない柔らかく温かい塊が押し付けられる。


「うふふっ♡……もう、エディスとは話しをしてあるの♡……後ノワールとも、話はついているわ♡/////」


「一体何の話ですかね?……今度、何食べるとか?」


そう言いながら、八雲の脳裏は


(エルフ親子丼ですかっ!?―――Yes!Yes!Yes!)


という問答の言葉でいっぱいに染まっていった……


「うふふっ♡……今、貴方が期待して……想像した通りのことよ♡/////」


彼女から漂う甘い匂いにクラクラしつつエヴリンが母性溢れる微笑みを浮かべながら、その淫らな光を漂わせる瞳に魅入られて―――


「んっ♡……んちゅ♡……んん♡……/////」


―――どちらからともなく唇を奪っていった。


その瞬間、八雲『理性の強化』スキルは仕事を止めた―――






―――そうしてエルフ独特の上下が繋がったワンピースのようなドレスをそっと脱ぎ去ったエヴリンを伴ってベッドに向かった八雲。


「んちゅ♡……ちゅ……あん……いいわぁ♡……キス……とっても上手♡……そうやって娘も可愛がってくれているのね♡/////」


自分の妻の母親と関係を持つ背徳感……


しかし、この異世界でエルフという種族の人間とは違う美しさの親子との現実味のないこの状況が、その背徳感よりも目の前の母親も自分のモノにしたいという欲望に塗り潰され、ムクムクと八雲の中で膨らんでいく。


「うふふっ♡……あんっ♡……そんな、おっぱいに吸いついて♡……そんなに吸っても、ンンッ♡ おっぱいは出ないのよ?ごめんなさい……でも、貴方が出るようにしてくれても、いいのよ?/////」


大きな娘がいるとは思えないほど淡い色を保っている胸の先端に吸いついてくる八雲の後頭部を、両手で優しく包み込みながら撫でてくるエヴリンに心地いいぬるま湯に浸かっているような気分になっていく。


「ああっ……んっ……そう、チュ~♡ チュ~♡ するの、とっても上手ね♡……あん♡ もっと、もっと吸って♡ いっぱい飲む飲むして/////」


(ヤ、ヤバい……これがバブみというヤツなのか?……く、癖になりそう……)


実際に娘を育てた経験のあるエヴリンの八雲に対する扱いは、まるで坊やをあやすように可愛がりながらどこまでも甘々な態度に変わっていく……


「アアッ!……うんん♡……上手、上手よ♡……もっとママのこと、気持ちよくしてちょうだい♡/////」


ここにきてエヴリンの口から『ママ』発言が飛び出して、八雲の中で新たな感覚が目覚めようとしていた。


舌先には『神の手』が発動していて、反対の先端を転がす指先にも同じく発動させて纏っている。


エヴリンにはその『神の手』からの快感が流れ込んでいて、ビクビクと身体を打ち震わせて喜びの声を上げていた。


「ああっ♡……ハァハァ♡ なに?これぇえ♡……ほんとに上手よ~♡……もう♡……これで……んん♡……何人も、女の子達を、泣かせているのねぇ♡……本当に、悪い子だわぁ♡ でも……ママには何でも好きにしていいわよ~♡/////」


快感にトロンと恍惚の表情を浮かべながら、それでもママのポジションを崩さないエヴリンの姿に八雲は刺激を受ける。


「あら♡ すごく大きいわぁ!……うふっ♡ 思った以上に立派よぉ♡……もう、待ち切れないのね♡……いいわよ♡……さあ、ここに……いらっしゃい♡/////」


その瞳から淫靡な光を放ちながら、舌なめずりするエルフママ。


そして、ベッドで横になりながら、両脚を広げるとそこに重なるようにしてやってきた八雲を迎え入れた―――


「クッ!……ああ、気持ちいい……」


―――八雲は柔らかく包み込むようなエヴリンに酔いしれ、そして止めていた身体をゆっくりと前後に動かし始める。


「あっ!あっ!……あっ!アンッ……い、いいわぁ♡……上手よ……そ、そう……アッンン♡……気持ちいいわ♡/////」


「ウッ!エヴリン!アアッ!!」


快感で八雲の腰はギアが上がって加速していく―――


八雲は脳が沸騰するほど興奮して真っ白なシーツの上で細い身体に晒されたアンバランスな巨乳が、八雲の律動と同時に前後にプルン♪ プルン♪ と柔らかさを主張するように大きく揺れる様子に益々興奮していた。


その激しい行為に絶頂を迎えたエルフの美女は、全身をガクガクと震わせる。


「オオオッ!!!」


その瞬間、エヴリンに八雲は高まって溢れた自分の欲望を放った―――


絶頂に達して荒い息が収まらないエディスがようやく落ち着き出すと、八雲の両頬を両手で包み込み唇にキスをする。


エディスの下腹部には『龍紋』が浮かび上がり、またひとり龍紋の乙女クレスト・メイデンがここに誕生した―――


「ハァハァ♡……あら?……まだ……そうよね♡ まだ若いんだもの♡……したりないのね?……いいわ♡ このまま、続きをしましょう♡/////」


―――それから何度も八雲の寵愛を受け止めて、その虜へと堕ちていく。


八雲はこの後、何度もエヴリンを抱くことを繰り返しながら、『完堕ち』していく彼女の姿を眺めていたのだった―――




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