目次
ブックマーク
応援する
2
コメント
シェア
通報

第237話 アルヴィトの初夜

―――真っ赤な衣装のバニーガールになったレギンレイヴ。


―――ピンクの衣装のバニーガールになったアルヴィト。


―――白色の衣装のバニーガールになったユリエル。


―――黄色の衣装のバニーガールになったレオ。


―――青色の衣装のバニーガールになったリブラ。


「……最高だ。天国は此処にあった」


イッツ ア パラダイス!!!と心の中で大興奮の八雲だったが、流石に馬鹿みたいに取り乱して醜態を晒す訳にもいかないと、自分を律しているつもりだった―――


「―――ニヤニヤし過ぎじゃないかな?かな?」


と、ユリエルにカナカナカナと、夏のひぐらしの鳴き声のような不気味な問い掛けを食らって、涎を拭く仕草で咳払いをする八雲。


「ン、ンンッ!!―――いや、五人とも可愛いもんだから、思わず意識が飛んでたみたいだ」


「可愛いですか?私、可愛いですか♪」


「ああ、可愛いぞぉ♪ あと、あんまり跳ね回ると思わずポロリしちゃうから、やめなさい」


兎のように跳ねているリブラのプルン♪ と胸元をポロリしそうになる度に、八雲の『思考加速』と『身体加速』により強化された動体視力が上下に加速してフルカバーで捉えていた。


「やはり八雲様は只者ではなかったのですね。リブラのおっぱいを追いかけるために『思考加速』と『身体加速』まで発動して目で追いかけるなんて……」


「―――何故バレてぇらぁ!?」


「私の『全知』で感知していれば、どのようなスキルや加護を発動しているかも透視出来ますから」


盲目のアルヴィトにムッツリなエロい技を見抜かれるという失態に八雲は驚愕しショックを受けた。


「え?おっぱいですか?私のおっぱい見たいんですか?/////」


「―――直球で訊くのはヤメテ!なんかそれメンタルにズンと来るものがあるから……あと、見たいか見たくないかなら、見たい!!」


「いや全然メンタルやられてないじゃない……スケベ/////」


ユリエルにグサッ!とツッコミを入れられるが、そんなことは今更だ。


「―――そんなことは今更だ!」


「心の声がそのまま出たみたいな返事がきた!?」


だが、そんなやり取りの中でレオがクスクスと笑いながら、


「フフッ♪―――そんなことを言ってもユリエル様もアルヴィトも、そしてレギンレイヴも八雲様の寵愛を受けたくて態々この恰好にまでなって篭絡しようとしているのでしょう?だったら、もう少し素直になっては如何でしょう?」


「うっ?!それは……そうですけど/////」


既に八雲の寵愛を何度も受けて余裕のあるレオのツッコミで、ユリエルも実は期待していたことが八雲に筒抜けとなりバニーガールの恰好にも堪えていたところ一気に羞恥心が押し寄せてくる。


「それじゃあ可愛い兎さん達。これからどうするつもりだったんだ?」


五匹のバニー達を前に、八雲が優しい声で問い掛ける。


すると、レギンレイヴとアルヴィトはお互いに顔を見合わせてから―――


「―――八雲様」


「私達と―――」


「―――男女の契りを」


「結んでください!!」


―――と、八雲に告白する。


その美少女達の言葉を頭で反芻しながら、そこから込み上げる嬉しさと欲望が膨張していく中で八雲は問いかける。


「レギンレイヴはどうして俺のこと好きになってくれたんだ?」


「はい。わたくしは今までこのようにして殿方と関わることはありませんでした。『恋』……というものがわたくしには分かりませんでした」


レギンレイヴの言葉を噛みしめるようにして耳を傾ける―――


「ですが、【呪術カース】に侵されたイェンリンを自ら傷つくことも恐れず止めてくれた貴方、遠くアルブムまで飛んでイェンリンを救ってくれた貴方、他人のためにどんな困難でも飛び込んでいく貴方のことを目にする度に、わたくしの胸はトクンと高鳴り温かくなったのです。その時きっとこれが『恋』なのだと、そう思ったらそこからは信じて疑いませんでした。わたくしは―――貴方が好きです/////」


真剣に告白したレギンレイヴに八雲は嬉しさと気恥ずかしさがやってきたが、


「ありがとう。俺もレギンレイヴが好きだ」


と、本心から返事を返す。


「アルヴィトは、どう思ってるんだ?」


アルヴィトからは一度、契りを結ぶことを懇願されたことがあったが、それは『神紋』を渡すためという目的のための申し出だった。


その義務的な目的のために我が身を差し出そうとしたアルヴィトを八雲は一度拒否して、イェンリンにも否定された。


「私は……」


アルヴィトはそこで一旦言葉に詰まる。


だが、そのアルヴィトの手をそっと握ったのは隣にいたレギンレイヴだった。


その握られた手を感じて、アルヴィトはグッと自分自身を奮い立たせる。


「私は一度、八雲様に契りを迫ったことがありました。ですが、それを八雲様とイェンリンに諫められて、その時の私はレギンレイヴと同じように『恋』というものが、分かっていませんでした」


アルヴィトの話しに、真剣に耳を傾ける八雲。


「でも、私もレギンレイヴのように八雲様を見えない目ではありますが、『全知』を使って感じてきました。あの時よりもたくさんの時間を。貴方は強く、優しく、時にはふざけて人を笑わせていて、時に絶対に諦めない人でした。そんな貴方のことを知っていく度に、私の胸は高鳴りました。今ならハッキリと言えます。私は貴方に『恋』をしています―――貴方が好きです。八雲様/////」


初めて会ったあの時、突然自分を捧げようとしたアルヴィトとは違う、今は自分自身の本心からの告白。


「ありがとう、アルヴィト。今の君はちゃんと俺のことを見てくれていたことがわかる。俺も君が好きだよ」


その言葉を聴いてアルヴィトも、そしてレギンレイヴも少し瞳に光るものが見えて、そして頬はほんのりと赤く染まっていた。


「おめでとうございます!レギンレイヴ!アルヴィト!やりました♪」


ふたりの告白成功にリブラがはしゃいでお祝いの言葉をかける。


「おめでとう。ふたりとも♪ 八雲君はこれから、ふたりのこともシッカリ愛してあげてね」


ユリエルもふたりを心から祝福する。


「おめでとうございます。では八雲様―――今宵のお相手はおふたりということですか?/////」


レオが八雲に問い掛けるが、その瞳は勿論ふたりだけではありませんよね?と挑発するような、期待するような、誘っているような艶めかしい光を放ちながら八雲を見つめる。


ならば、その誘いに乗ろうじゃないかと八雲は―――


「勿論……此処にいる全員に決まってるだろ!さあ、向こうに行こうか」


―――と、五人相手にすることを宣言する


五人と共に過ごす夜の始まりだった―――






―――部屋を移して、


寝室に移動した八雲は、キングサイズを超えるベッドの上に可愛い兎達と一緒に乗り込むと、


「まずはアルヴィト、レギンレイヴ。俺の傍に来て」


ベッドの上に座った八雲の左右に、ヨチヨチと四つん這いで近づくレギンレイヴとアルヴィトの胸元に目線をロックオンしながら、胡坐をかいた八雲の左右にやってくるふたりに向かって笑みを浮かべる。


「これからふたりを俺のモノにする。不安があるだろうけど、俺のことを信じてほしい」


近寄ったふたりの肩に両腕を回してそっと抱き寄せながら、優しい声色で囁く八雲。


「はい……信じます/////」


「はい……あの、優しく……お願いします/////」


ふたりの了承する言葉を確認して、八雲はアルヴィトにそっと口づけをした。


「あっ/////」


その様子を見ていたレギンレイヴの口から思わず吐息のような声が漏れた。


アルヴィトは接近する八雲の顔を傍に『感じて』、その柔らかな唇に八雲の唇が触れると、そっと紅い瞳を閉じる。


異性との初めての口づけに、アルヴィトはそれだけでまるで自分が羽毛にでもなったかのように舞い上がり、その身が浮いているような錯覚すらしていた。


「んん……ん……ちゅ♡ ハァ♡/////」


そっと離した唇を次はレギンレイヴに向けると、次の瞬間、八雲の頬をそっと手で寄せて自ら唇を押し当ててくるレギンレイヴ。


「んん!……んちゅ……ん……ちゅ……んん♡ ハァ♡/////」


待ち切れなかったと言わんばかりの濡れた蒼い瞳で、情熱的な口づけを交わしたレギンレイヴに少し面食らった八雲だが、そこからふたりに交互に口づけを交わしていく。


ユリエルとレオ、リブラはベッドの隅に移動して、三人の邪魔にならないようにその様子を見つめていた。


初めての夜となるレギンレイヴとアルヴィトを優先してあげようという『龍紋の乙女クレスト・メイデン』の暗黙の了解のようなものが、この場では働いていた。


次第に興奮が高まってきたレギンレイヴとアルヴィト……


八雲の胸に左右から手を添えて、もはや互いに頬をくっつけ合いながら舌を伸ばして八雲の唇と舌を求めてくる。


それは八雲が密かに口づけで舌に『神の手』スキルを発動し、徐々にふたりの興奮を高めていった効果だった。


アルヴィトには『神の手』の発動を見透かされていたが、愛しい八雲が自分達を喜ばせようとしている行為であるため、何も口出しはしなかった。


むしろその効果によって高揚し、身体の奥から熱くなる感覚に酔いしれているのだ。


「んちゅ……ちゅぱ……ちゅう♡ んちゅう♡ ハァ♡―――/////」


夢中で八雲の舌に自分の舌を伸ばして、求愛行動を取るふたり。


レギンレイヴの銀髪とアルヴィトの白髪を両手でそっと撫でおろしながら、八雲は徐々に舌先の『神の手』と同じく両手の『神の手』も強めていく。


じっくりと熟成させるような『神の手』の影響で、ふたりの顔は紅潮し、息づかいもどんどん荒いものへと変わっていった。


そして頭を撫でていた両手を、八雲はふたりの胸元へと滑らせる。


「んん!ああッ♡/////」


「あん!んんんッ♡……/////」


優しく撫でるような愛撫で、ふたりの形の良い胸を可愛がっていきながら、バニーガール衣装の特徴でもある開いた胸元の隙間からそっと手を差し入れる。


そこで八雲は一旦両手を抜いて、ふたりの腰を抱えて持ち上げると背を向けさせて自分の膝の上に座らせる。


それから再び後ろからふたりの胸元の隙間に両手を忍ばせる。


「あっ! あん! そこ! ハアハア♡!/////」


「んんっ! いや! そこ……はあ! あ……んん♡!/////」


誰にも触れさせたことのない身体に男の指が触れているというだけで、羞恥心と期待と未知の快感に身を悶えさせるふたり。


「ふたりとも、キスは続けて」


八雲のその言葉に、後ろに振り返って再び八雲の唇に吸いつき、絡みつかせて、そして快感に見悶える。


そんなことを繰り返しながら、可愛がっていた両手を今度はふたりの内腿へと滑らせる。


ピクン!と大きく反応するふたりだったが、八雲は何も告げずにそのスベスベの内股に手を持っていくと、執拗に足の付け根の部分を撫で回しながら『神の手』を流し込む。


すでに意識がかなり絶頂へと向かっていたふたりだが、内股の脚の付け根という誰も触れさせることのない未知の部分に伸ばされた八雲の指先から感じる快感に、いつ果ててもおかしくはなかった。


「や、やくもさま♡ あ、あの……/////」


「は、はやく♡ その、そこに……/////」


処女であるふたりには、それ以上の卑猥な行為や言動を口にして求めるなど理性と羞恥心が邪魔をして、とてもではないが口に出来ない。


「ん?どうした?ちゃんと口にして言ってくれないと、わからないぞ?」


そう囁く八雲だったが、ふたりは八雲がわざとそんな風に言っていることは百も承知だ。


そうしている間にも、八雲の両手は内股や脚の付け根を満遍なく触れてきてはいるが、肝心のその中心には一度も触れていない。


息がどんどん荒くなっていくふたりはどちらが先に言うのか、と思っていたのが、先に言った方がもっと気持ちよくなれるという考えに変わり始めて、そして我慢の限界が訪れていた。


そして―――


「わ、私の触れてください!もう我慢できません♡ お願いします!八雲様/////」


「あ、ズルい!わたくしも!わたくしも触れて欲しいです!八雲様/////」


―――と、先に懇願したのは、アルヴィトで続けてレギンレイヴが懇願する。


「先に言ったのはアルヴィトだった。だから、先にアルヴィトから抱くよ。でもレギンレイヴも勿論その次に抱くから、まずは―――これで一度!」


そう宣言した八雲は両手をバニーガール衣装の横から差し込みながら、強い『神の手』を流し込む。


「アアアオオッ!―――な、なにッ!ごれぇ~!! や、やぐもさまぁああ♡!/////」


「ンウウウウッ!―――いやああ! これ、おかしく、なりますぅう♡!/////」


絶叫を上げながら腰をビクビクと前後に震わせながら、強制的に達したふたりは全身を痙攣させながら息も絶え絶えになっていく。


グッタリとしたふたりの身体をベッドの上に横たわらせて、そしてアルヴィトの方へ向くと後ろのボタン止めしているバニーガールの衣装を八雲はそっと脱がしていく。


白くなだらかな身体が目を引く美しい少女の身体に、八雲の理性は決壊寸前まで来ていた。


「アルヴィト……もう、俺が我慢出来そうにない」


仰向けになり、息づかいの荒いアルヴィトの耳元でそう囁くと、


「ハァハァ♡ ど、どうか、我慢、なさらないでください。わ、私は、こうなることを、望んでいて、これからも……望んでいますから♡ ハァハァ♡ だから―――どうぞ……八雲様の……お好きに……なさってください/////」


すでに良妻賢母の片鱗を見せているアルヴィトのその健気な言葉に、美少女のそのような言葉に反応しない男がいるだろうか?


『身体加速』の秒速で服を脱ぎ散らかした八雲は、そんなアルヴィトの健気な姿に身体を重ねていく。


「あっ!……あ、あつい、です♡/////」


「いくぞ、アルヴィト。大丈夫だ。痛みなんて感じさせない。これから俺の形をしっかりと教え込むからな」


「はい♡ よろしく、お願い……いたします/////」


『神の手』スキルと『回復』の加護を二重掛けして少しずつ侵入を開始する―――


「ああっ!! あ、あつい……のがッ!/////」


―――スレンダーな身体のアルヴィトは侵入を迎え入れようと脚を全開にさせて、痛みはなくともその絵面はかなり八雲の興奮を高めていく。


「アアアッ!!!す、すごい……です!ハァハァ♡ や、やくも……さま♡ す、すき♡/////」


「俺も好きだ。アルヴィト」


その言葉に八雲はさらに腰を前に進めると、遂にアルヴィトとひとつになった。


「ンンン~ッ!!!!ハァハァ♡ わ、わたし……これが、やくもさま……なのですね?/////」


「ああ、そうだよ、アルヴィト。これが俺だ。俺のことをちゃんと覚えこませるぞ。いいか?」


ゆっくりと腰を短い距離で前後させながら、白髪の頭を撫でながらそう囁く八雲に、


「はい♡ あん! どうぞ、動いて……好きに……わたしをッ! あんっ! あんっ! んんっ!!/////」


八雲の腰使いに、本当の意味で女になった可愛い喘ぎ声を上げ始めるアルヴィト。


上から覆い被さって頭を撫でながら見つめ合って腰を動かす八雲。


愛する男にこうして抱き締められ、見つめられて込み上げる快感に、アルヴィトの声が女のそれへと変貌していく。


その度に形の綺麗な胸がプルプルと揺れて、頭の上に残したカチューシャに付いたウサミミがピコピコと震えている。


そうして高まった快感と共に八雲はアルヴィトの耳元で囁く―――


「そろそろ、慣れてきたか?アルヴィト」


「あんっ!あんっ!はいぃ!やくも……さま!きもち……いいですッ♡! こんなのすごいッ♡!/////」


可憐なイメージを漂わせるアルヴィトが、目の前で涎を垂らしながら見つめるその姿に、八雲の理性はプツリと音を立てて途切れた―――


「俺も!アルヴィト!!」


―――と、さらに腰のグラインドを大きく、長く、早くしていく八雲だが、


「ああっ! おおっ! おほっ♡! あうぅ♡!/////」


もはやアルヴィトに返事をする意識はなく、朦朧とした中でただ快感だけを受け入れていた。


そして遂に我慢の限界が来たところで―――


―――八雲は遂に欲望をアルヴィトに解放する。


「アアアアアッ♡! オオオッ♡! アッアッア―――ッ♡!/////」


もはや言葉を忘れたかのようなアルヴィトは、押さえつけられた身体で両腕両脚を八雲の身体に巻き付け、全身を震わせながら上向きに半白目を剝いて舌をビクビクと震わせていた。


すると、遂にアルヴィトの下腹部にもポウッとピンクに輝く『龍紋』が浮かび上がってきた。


だが、それと同時に今度は八雲の胸が突然、光り輝く―――






―――部屋中に広がる眩しい輝き


その中心である八雲の胸板には何か紋章が浮かび上がってくるのが見えた。


「こ、これは!?あの時のユリエルと同じ!!」


やがてその光は収まって八雲の胸の中央に刻まれた『神紋』だけが残った……


以前に刻まれたユリエルの『地聖神の神紋』の上に新たに刻まれた『天聖神の神紋』だ。


「ハァ、ハァ、ハア……そ、それこそが……て、天聖神……様の、んんッ♡ し……神紋です……/////」


ようやく意識が戻って来たアルヴィトが告げる。


「これが、天聖神の……けど、この『神紋』がどんな力を秘めているかは、その時にならないと、分からないんだよなぁ……」


かつて【呪術カース】に掛けられそうになった時、地聖神の神紋が八雲を呪いから護った経緯からも何かの切掛けがなければ発動しないのだろうと八雲は予想する。


だが、今はそれより次に控えているレギンレイヴのことを可愛がることが八雲にとって優先事項だ。


「待たせたな、レギンレイヴ。次はお前だ」


振り返ってそこで荒い息をしながら佇むレギンレイヴに向き直って、八雲はその美しい身体に野生の本能を滾らせるのだった―――



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?