―――
「……あ、ああ/////」
「んん♪ あん/////」
可愛い女子の声が寝室に静かに響き続ける―――
ベッドの縁に腰掛けたノワールの手が目の前のジュディとジェナのスカートの中を這いずり回るようにして撫でている。
「ふたりとも綺麗な肌をしているな。フフッ……きっと八雲にたくさん可愛がってもらえるぞ」
顔を赤らめて立っているふたりの顔を見上げて、ノワールはニヤリと厭らしい笑みを浮かべた。
スベスベしたお尻に手を回して撫で回しながら、
「ではふたりとも、スカートを手で捲って見せてくれ」
静かに優しくそう伝えると、ふたりは少し驚いた顔をしながらも、両手でスカート前をゆっくりと捲り上げていった。
そこにはノワールが選んでやった白いレースの紐Tバックが顔をだす。
「やっぱりふたりとも似合うな。選んだ甲斐があったぞ♪」
「あうう……あ、ありがとうございます/////」
「似合う?可愛い?/////」
「ああ♪ ジェナにこの下着は似合っているぞ♡」
Tバックの剥き出しになったふたりの尻を何度も両手で揉みながら、
「フゥ、フゥ、ああ!ノ、ノワール様、そこは!/////」
「あうう……そこ、なんだか、ムズムズする/////」
「ふふっ♪ ふたりとも、我の肩に手を置いてしっかりと身体を踏ん張っておけよ?」
「え?あ、ああ、は、はい/////」
「あ、ああ!う、うん/////」
立っていたふたりはその言葉に、ベッドに腰を掛けているノワールの肩にふたりで手を置いて、やや前傾姿勢になるのを確かめると―――
「あ、あ、ああ!ノ、ノワールさまぁあ/////」
「あ、あ♡ な、なにこれ!ジェ、ジェナ、こんなの知らないよぉお/////」
指の動きをゆっくりから徐々に加速していくノワール―――
「ああああ!!!―――ダメぇええ!!!/////」
「はあああ!!!―――いやぁああ!!!/////」
その瞬間、ジュディとジェナは電撃のように全身を走った快感で完全に蕩けた表情で舌を出しながらハァハァと息を切らしていた。
「今日はここまでにしておこう。さあ、ふたりとも!我は風呂に入るからふたりも入るがいい。一緒に汗を流そう」
顔を赤らめて息の荒いジュディとジェナは、ゆっくりと息を整えながら―――
「……はい/////」
「は~い/////」
と嬉しそうにノワールの背中を追い掛けて、浴室へと向かっていった―――
―――翌日、目が覚めてノワールを起こしに来た八雲が部屋に入ると、
「これは……どういう状況なんだ……」
ノワールのキングサイズを超えるくらい大きなベッドにはジュディとジェナが同じベッドに入って眠っていた。
しかもノワールがモキュモキュとジェナのピコピコ動く狼耳に甘噛みして、ニヤつきながら睡眠していた……
「羨まけしからんな……いやなに?この可愛い生き物達は……」
薄着でほぼ露出しかない恰好で三人ともベッドに入って仲良くスヤスヤお休みモードに入っていて、いつまでも眺めていたい癒しの空間なのだがこれから治水工事の件もあるのでいつまでも寝かせておくわけにもいかない。
「はぁ……おいノワール?起きて!朝だぞ」
「ううん……カレーライス……おかわり……」
「あら可愛い寝言ね♪―――じゃねえよ!おい起きろ!」
八雲の声にようやくぼんやりと瞳を開いて、ゆっくりと八雲を見上げるとノワールが上半身を起こした。
「ふあああ~!!……ああ、おはよう八雲♪」
大きな欠伸をするノワールが子供みたいに思えて思わずクスリと笑った八雲だが、
「おはようノワール。今日は治水工事しに行くけど留守番しとくか?」
「―――行くに決まっている!だが……その前に♡」
そう言って四つん這いの猛獣のようにお尻を少し上げながら、ベッドの上を八雲の傍まで近づいてくると、
「ジュディ、ジェナ起きろ!これからご奉仕の仕方を教えてやるぞ♡」
大きめのノワールの声に、ジュディとジェナが飛び起きる。
「ふあ?!あ、お、おはようございます/////」
「う~ん……あ、お兄ちゃん……おはよ~」
目が覚めて八雲がいることに気づくと、ジュディは顔を真っ赤にして薄着の姿をシーツで隠し、ジェナはまだ寝ぼけ眼を擦っていた。
「おはようふたりとも。昨日はノワールと寝ていたのか」
「昨日、我が呼んだのだ。さて、それじゃ始めるぞ!ふたりともしっかりと見て覚えるのだ」
そう言って八雲のズボンに手を掛けるノワールに八雲もさすがに驚いて、
「え?ふたりに見せるのか?」
「当たり前だ!昨日から我が直々に男女の睦合いについて手解きしているのだからな!さあ、ふたりとも!しっかりと見ておけよ♡」
言うが早いかノワールは八雲の黒いパンツに手を掛ける。
「ふふっ♪ 朝から元気だな♪ この子は♡/////」
ベッドの横に立つ八雲の股間に顔を近づけてベッドに四つん這いになりながら、ぷるん♪ と潤いのある柔らかい唇を見せつけるノワール。
「フフッ♪ ふたりもしてみるか?」
ノワールはジュディとジェナに問い掛けると、
「ジェナもやりたいです!」
元気に答えるジェナ。
「あ、あの……/////」
「ジュディ、無理しなくていいんだぞ?」
その八雲の言葉にハッとなったジュディは―――
「いえ!嫌だなんて思いません!……わ、私も八雲様に、ご奉仕、したいです/////」
頭の狼耳がペタンとなりながら、そう答えるジュディに八雲がビクリと震えて答えた。
それから―――
こうして朝起こしに来ただけだったのが随分と奉仕の時間を食ってしまったので三人を急かした八雲だった―――
―――昨日クレーブス達と話したカメール川の川岸に城を出て向かった八雲達一行。
「クレーブスと葵の話しと俺の国の治水について話を合わせて実行したい」
「八雲様の国の治水とは?」
早速とばかりにクレーブスが質問してくる。
「正直なところ、俺の故郷でも大雨の際には氾濫に悩まされていたところもある。だが、此処みたいに何も手を着けていなければ氾濫し放題になってしまうだろう?川の氾濫は農業だけではなく、人の財産や命まで奪っていくものだ」
八雲の言葉にエミリオにレオンとそれに獣王国の文官達や見物に来た豪族達も耳を傾ける。
「だが俺が少し手を加えた程度ですべて上手くいく訳じゃないだろう。何度も試行錯誤が必要になるだろうし、雨期の際に増える水量を計測する必要もある。だからまずは―――その土台を築く!!!」
そう叫んで大地に手を置いた八雲の周囲に魔法陣が展開される―――
それも数十m規模の魔法陣だった。
「―――
土属性の巨大な基礎魔法を展開すると、八雲と随伴した全員の足元が地鳴りと共に盛り上がっていく―――
―――そしてその盛り上がりは川岸から百mほどの位置にいる八雲を始点にして、川沿いに均等な幅で盛り上がっていく。
―――まるで自然な土手道のように盛り上がり、さらには川岸の土地が百m幅で遊水地として平坦に均されていく。
―――まるで蛇が這っていくかのようにして、遊水地の土地整備と増水した際の水を受け止める土手道が出来上がっていく。
八雲の魔力は膨大であり、そこから上流下流に向かって十数kmに及ぶ治水対策の遊水地と土手が出来上がっていた。
「こ、これは……」
「なんという……」
エミリオとレオンは開いた口が塞がらないといった様子で、見事に整備された両岸の川岸を眺めている。
一緒にいる文官達など八雲に免疫がないため、突然の魔力の放出と目の前の出来事に思わず腰を抜かす者まで出ていた。
「兄上、この治水工事―――」
「うむ、ティーグルの水害発生地域にも光となるやも知れぬ」
クリストフは兄であるエドワードに、目の前の治水工事がティーグルでも川近くで発生する水害に適用できると踏んで話し合っていた。
「八雲様!土がすっごく盛り上がりましたわ!これどうなるのですか?」
シャルロットが楽しそうにしながら工事の意味を聞いてくると、八雲が説明する。
「あの川岸の広くて平たいところを造っただろ?あれは遊水地といって川の水が増水しても、あの広場のところに水が広がることで、増えた分詰まらないように流すためなんだ」
そこでクレーブスが顔を突き出す。
「なるほど!水の体積をあの広場に広げることで勢いも緩めるのですね!それに一緒に造られたこの土手道も高さを造ることで二重に川の氾濫を抑える作用があると。実に合理的な治水工事ですね!ですが……これでは水がレーヴェに向かって引けないのでは?」
完全に土手道で遮られた川からどうやって水を引くのかと疑問を持つクレーブスに八雲は、
「それは―――こうやるんだ!」
再び
さらにその用水路が土手まで来て土手も分断してレーヴェ側に突き抜けさせると、さらにその溝を伸ばしていく。
すると水がその用水路に入ってきて流れ込み満たしていくと土手道の切れ目に石化した土、いわゆるセメントを造り上げて橋を架け、さらにその橋のところにセメントと『収納』から出してきた黒神龍の鱗で立派な
堰の横には丸いハンドルを着けてそれを回すと堰を上下に動かして開閉できること、そして念のため悪戯されないようにとハンドルには鍵も着けてエミリオに渡した。
「次にこの用水路を伸ばす。着いてきてくれ」
土手から歩いて用水路を伸ばしながら開けた荒野に出ると、八雲は
そこに先ほどの用水路を繋げると、巨大な貯水池に水がどんどん流れ込んでくる。
「さあ、ここからだ!」
痩せた荒野になっているその地に
―――そうして、およそ百m四方の大きさで水路に切り分けられた土地がそこに完成した。
「ふぅ……このくらいのスペースがあれば、農地としても活用しやすいだろう?」
振り返ってエミリオ達にそう告げる八雲だが、誰も返事はない……
(あれ?俺なんかマズったかな?)
自分の手順を思い返しても、特に落ち度は見られないと思っていると―――
「―――黒帝陛下!!」
「うわ!?なにどうしたの?」
突然、エレファンの人間が皆、膝を着いて八雲に頭を下げている。
「このような何年も掛かる事業を事も無げに遂行された御力、改めて我らエレファンの民は黒帝陛下に忠誠を誓います」
エミリオが深々と頭を下げてレオンも文官達も、半分暇つぶしのように見に来ていた豪族達も一様に頭を下げている。
「いやそんなに気にしなくていいから。それよりもこれからが大変だぞ。一旦はこの形で造ってみたけど絶対にどこか不具合が出たり、造り変えたいところが出てきたりするはずだから。そのときは相談してくれ」
「―――はい。雨季の際の水量の計測も忘れずに、ですね?」
「ああ、あと上流に間隔をおいて観測所を作るのもありだと思うぞ。水量に異常があればラッパとか吹いて知らせを送れるように、とかな」
「なるほど、それはこちらで検討致します!」
「うん。何か作物のことで困ったことがあれば葵に尋ねてもいいし。何せ地聖神の御使いだからな」
「妾も驚くほどの手際で主様が全て造ってしまわれましたからな。若き王よ、この地は痩せてはいるが主様の造られた水路から水を取り入れ、土にしっかりと水を含ませて土を造るところから始めるがよい」
「御使い様の教え、早速実行に移します」
皆が幸せそうな笑みを浮かべている景色を見て、八雲は満足感に包まれていた。
「それじゃあ城に帰ろう!八雲!我は腹が減ったぞ!」
「あ、うん、ていうかノワールさん?なんもしてないよね?」
「ん?いや、したぞ?朝から気持ちよくしてやっただろう?」
「ワァーワァー!!!―――そういうことは公共の場で言っちゃいけません!!!」
八雲とノワールの姿に周囲は生温かい目を送っていた……
貯水池に水が溜まれば水路にも水が渡っていくだろう。
その景色と、これからこの地で育てられる作物を想像しながらレアオン城へと帰還するのだった―――